君に溺れる深海魚 (ページ8)

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壁にもたれ掛かったまま眠りこけている青年の姿だった私とは格好が違うが、見る限りではハンターの格好をしている。同業者か？疑問を浮かべながらも、私は眠っている彼へそっと近寄る。構えていたハンドガンを下ろして、彼の側へそっと腰を下ろす。

「……」

胸元や足元に、先ほどの壁や柱に付着していた特異エネルギーの残留している。いったい、彼は何者なのだろうか。警戒心は残したまま、青年の肩を軽く揺すってみる。しかし、何の反応も示さない。見たところ、残留物以外は怪我をした様子は見られない。眠っているだけか？

『救援を呼ぶしかない』

ワンダラーが彷徨うなか意識のない者がここで居ては、危険だ。そう判断した、私はハンター装備から救援を呼ぼうとしたとき。今まで何の反応も示さなかった青年が、突然動き始めた。そして、救援を呼ぼうとしていた私の腕を軽く掴んだ。

「しっ」
『……大丈夫ですか？』
「ああ。あんたこそ……」
「！」

青年が何かを言いかけた瞬間。背後からワンダラーの気配を感じた私は、下ろしていたハンドガンを構えて後ろへ振り返る。だが、私がハンドガンを構えるよりも早く。青年は、どこからともなく剣を取り出して、ワンダラーを蹴散らした。

「磁場が展開されている。あんたもハンターなら手伝ってくれ」

まっすぐとした視線でそう告げられて、私は無意識のうちに頷いてしまった。