神秘的な光 ページ7
ハンターの資格を合格して、無事、徽章授与式も終えた私たちは、新人のハンターとしてコアエネルギー基地跡へ赴いていた。
「霊宮行動部のリーダー、ミナミです。10分前、このコアエネルギー基地跡で特異エネルギーが爆発しました……」
与えられた、ハンター装備からは上司のミナミの声が聞こえてくる。特異エネルギーの爆破のためか、近くからはひしひしとエネルギー源の波動が肌へと伝わってくる。それに、先ほどから、ハンター装備からもエネルギー指数を感じ取っている。
『捉えた……』
「あなたのEvol、探査機より優秀だね」
声が聞こえる方へ、ふっと振り返れば、どこか見覚えのある顔立ちが視界へ映り込む。
「私はモモコ。徽章授与式で隣にいたんだけど、覚えてる？」
ああ……。どこか見覚えがあると思えば、徽章授与式のとき話しかけてきた子か。
『まあ。覚えているといえば、覚えてる』
「なに、そのうろ覚えみたいな言い方」
モモコは、くすくすと可愛らしい笑顔でおかしく笑う。そして、私の方を見つめると。
「ねぇ。あなたの名前は？」
『氷雨蓮……』
「蓮ちゃんね。ねぇ。せっかく同じ部署になったんだし、一緒に行動しようよ。それに、タロットによれば、私の今日の運勢は最高なの」
断る理由もとくに見当たらなかったため頷く。すると、突然。ハンター装備からワンダラーが近くにいるという合図が送られてきた。
「ワンダラー！ さっそく、来たね」
ハンター装備から送られてきたワンダラーの情報では、未確認のワンダラーのこと。危険レベルはＢ程度。さきほどの、エネルギー源の波動と一致する。しかし……。
「……危険レベルはＢ程度。さっきの波動と一致するね」
『……Ｂレベルでも波動値の上限下限が分からない……』
「じゃあ念のため、手分けして調べてみる？」
『そうだね。私は、中を調べてくる」
「私は、外を探して干渉範囲を確認してみるよ」
モモコは、腰に身につけていたハンドガンホルスターからハンドガンを取り出す。そして、私の方へ視線を向けると『あなたなら大丈夫な気がするけど……気をつけてね』それだけを告げて、行ってしまった。
＊
モモコと別れて、中を探索して行くなか。壁や柱などの至る所へ特異エネルギーの痕跡がべっとりと付着していた。果たして、こんなにはっきりと見える痕跡を残す、ワンダラーがＢレベル程度なのか。
「……」
何かが視界の端へ映り込み、私は持っていたハンドガンを構えて、奥の方へ走っていった。ハンドガンを構えたまま、奥地へたどり着いた、私の視界に映り込んだのは。
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作者名：クジラ大好きマン | 作成日時：2024年2月10日 16時
