君に溺れる深海魚 (ページ5)

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深空ハンターページ5

臨空市、ハンター協会本部。深空ハンターの新人として、新たな門出を迎えた私たちは、演説する会長の話を黙って聞いていた。それは、14年前に起こったことやとつぜん現れた謎の生物。ワンダラーの話のことばかりについてだった。酷く退屈だ。そんなことを考えながら話を右から左へ聞き流していたとき。私の隣で並んでいた可愛らしいショートボブの同期の女の子が話してきた。

「ねえ、徽章授与式で配属が決まるんだよね。なんか、緊張しちゃわない？」

見た目通りの可愛らしい声音で、小声で話しかけてくる彼女へ向けて、私は会長へ見つからないように人の影を利用して紙へ文字を書いていく。

『緊張したところで結果は変わらない』

人懐っこい彼女とはうらはらで笑顔もなく無愛想な返事しか返していない私を、彼女は特別苛立ったようすもなく可愛らしい笑顔を浮かべる。そして、とくに何も言わずに前向いた。私も特に返す返事や話すこともなかったため、前を向いて。また、長ったらしい会長の話へと耳を傾けた。

「ワンダラーの体内にあるコアを狙い、危機を根絶することがハンターの最終目標だ！最後に、選抜試験合格おめでとう。新たな深空ハンター諸君」

長かった演説も終わり、みんなで会長へ向けて拍手をする。

「さて、それでは新たな深空ハンターへの徽章授与式を始めよう……。第1位、341234番」
「うわあ！トップバッターじゃん！早く、ステージへ上がって！」

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