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そのあいだも、最初に声をかけてきた細目の男からの視線が痛いほど、突き刺さってくる。
「あはは！ 早速、嗅ぎつけてきたか！ まあ、いい。入りたまえ！」
克典社長に促されて、私たち二人は屋敷内へ足を踏み入れた。
克典社長の後を続くように、この大きな屋敷の廊下を渡り歩く。克典社長と水木が歩きながら軽い談話をしている中、私はぼんやりと窓の外を眺めながら歩いていた。そして、たどり着いた大広間。克典社長が襖を開ければ、沢山の数の人たちが大広間に集っていた。姿勢を正して、座り込む人たちの視線が痛いほど突き刺さる。『なぜ、余所者たちがここに？』目線がそう語っているようだった。けれども、克典社長は気にした感じはなく、判然とした様子で、親族でもない私たちを広間の中心部へ呆気なくと通した。畳に敷かれた座布団の上へ座る前に、水木は、畳へ腰を下ろすと龍賀一族へ向けて頭を下げた。私も水木を見習い、真似て頭を下げる。
「見かけない顔がいるみようだけど」
「東京から立ち役人だ」
「ふん。こちらの都合も考えずにやってくる辺り、確かにあなたのお仕事相手に相応しいわね」
刺々しい口調と冷めた視線。人を見下す女に、流石の不愉快さを感じる。
「ねえ。まだなの？ 私、足が痺れちゃった……」
「丙江さん……」
きっちりした女の隣に座り込む、歳の割にはお化粧の濃ゆい女性が、痺れた足を摩りながら愚痴を一つこぼす。時貞翁の次女丙江。昔に、東京へ駆け落ちして連れ戻されたと聞いたけど。水木から渡された写真とは随分とかけ離れて見える。
「遅くなりました」
襖が開かれて、大広間へ入ってきたのは先ほど出会ったばかりの時弥くんと沙代さんだった。
「あ、おじさんたち！」
嬉しげに笑顔を浮かべて駆け寄ってくる時弥へ、水木は一度伏せていた顔を上げて、苦笑いを浮かべる。
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クジラ大好きマン(プロフ) - 仮主さん» お返事が遅くなり申し訳ありません。言葉を褒めていただきありがとうございます。まだまだ拙い文章力ではありますが、これからも頑張らせていただきます。 (4月18日 23時) (
レス) id: 774fe7f9f6 (このIDを非表示/違反報告)
仮主 - 言葉が綺麗と言いますか、美しいと言いますか,,,,,,何よりもこのような素敵な作品に出会えてよかった！ (3月29日 21時) (レス) @page10 id: 09812a6f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クジラ大好きマン | 作成日時：2024年1月7日 11時
