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そんな、甘い雰囲気が二人の中で流れるなか、私は面白なさを感じていた。
「ひとまず下駄は治りましたよ」
切れた鼻緒はハンカチで綺麗に結ばれており、水木の器用さが伺える。
「あ、あの。ありがとうございます。水木様」
差し出された下駄へ足を通して、少女は水木へ向けて例を述べた。水木は、『いえ。下駄の具合は、大丈夫ですか？』人の良い笑顔を浮かべる。
「はい、大丈夫です」
作られた笑顔ではあるが、美しくされど優しく笑う水木へ対して、少女は思わず見惚れてしまう。なんだか、疎外感を感じてしまうのは私の気のせいだと思いたい。
「沙代姉ちゃん！」
甘い雰囲気を打ち壊すように、少女の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
「やだ、時ちゃん！ 驚いた！」
少女の元へ駆け寄る小さな男の子を、沙代と呼ばれた少女は、心配気な表情を浮かべる。
「もう、外に出て大丈夫なの？」
「うん！ ここ最近、調子がいいんだ！」
姉に会えたことが嬉しいのか、時ちゃんと呼ばれた男の子は、嬉しそうに少女の腰へ抱き付く。しかし、すぐに私達の存在へ気がつくと少女の背へ隠れてしまった。
「おじさんたちがみんなが言っていた東京から来た余所者の人たち？」
「こら、時ちゃん。失礼よ」
優しく咎める沙代へ対して、男の子は少し不貞腐れた様子で頬を膨らませる。
「だって、村のみんなもそう言ってたよ！」
子供の純粋さゆえの悪意の言葉。やはり、田舎という所は、どうしても排他的で余所者を訳もなく嫌う傾向がある。田舎あるあるだな。
「申し遅れました。私は、龍賀沙代と申します」
「僕は、長田時弥だよ！」
頭を下げて自己紹介をする沙代は、見るからに育ちの良さを感じる。しかし、反対に時弥の方からは育ちのよさは感じられないが、子供らしく愛嬌がある。
「これは、ご丁寧に。時弥くん。僕は、東京から来た水木と言います」
『氷雨蓮です』
あまり人が好きではない私は、大人気無い素っ気ない態度を取ってしまった。咎める視線が水木から降り注がれるが、どこ吹く風で無視を決め込む。私は、もともと水木家の人間以外は、あまり好きではない。けれども、水木が望むから少女たちへはそれなりの挨拶もした。
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クジラ大好きマン(プロフ) - 仮主さん» お返事が遅くなり申し訳ありません。言葉を褒めていただきありがとうございます。まだまだ拙い文章力ではありますが、これからも頑張らせていただきます。 (4月18日 23時) (
レス) id: 774fe7f9f6 (このIDを非表示/違反報告)
仮主 - 言葉が綺麗と言いますか、美しいと言いますか,,,,,,何よりもこのような素敵な作品に出会えてよかった！ (3月29日 21時) (レス) @page10 id: 09812a6f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クジラ大好きマン | 作成日時：2024年1月7日 11時
