色をなくした世界 (ページ7)

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悪霊がいっぱいページ7

その日は、比較的仲のいい友人たちと視聴覚教室で怪談話を嗜んで居た。光が入らないよう、部屋の中をカーテンで閉め切り。電気を消して真っ暗闇の中で小さなライトだけを頼りに、1人ずつ怪談話をしていく。

『……女の人はお巡りさんを連れて、公衆トイレに戻ったんだって。そして、お巡りさんの指示とおり中に入って、あの声がするのを待ったの。そして、あの気味の悪い声で『赤いマントをかぶせましょうか……？』って質問されたんだって』

ありきたりな怪談話と作り話を交えて淡々とメモ用紙に、怪談話を綴っていく。友人たちは、ゴクリと唾液を飲み込んで恐怖で震えている。

『女の人はその質問に答えてはいけないと思いながらも、この質問に答えたらどうなるのだろうかと好奇心を感じてしまったんだって。身を震わせるような恐怖を感じながらも好奇心に負けて、とうとう女の人は『はい』って答えてしまったんだ。答えた次の瞬間。女の人のすごい悲鳴が響き渡って、慌てたお巡りさんがドアを開けたら……女の人は、まるで赤いマントをかぶっているみたいに血塗れで死んでたらしい』

全てを話し終えて、灯していたライトの明かりのスイッチを切って、一つため息を吐く。私は、ペンをメモ用紙の横に置いて、友人たちの表情を伺えば。友人達は表情を真っ青にさせて恐怖で固まっていた。

「もう、蓮ってば！話が怖すぎるよ！もうすこし怖くない話にしてよ！」

私の話が相当怖かったみたいで友人の一人は、瞳いっぱい涙を溜め込んで怒っていた。

『ごめんね。最後は、ミチルだよ』
「……じゃあ、旧校舎の話をするね」

私からライトを受け渡されて、ミチルと呼ばれた少女は、ポツリポツリ小さな声音で、ここの旧校舎の事を話し始めた。この、新校舎ができるまで使われていた筈の木造でできた旧校舎を新校舎ができたのと同時で取り壊そうと工事をしはじめた時。相次ぐ、作業員の病気と事故。不幸が連続で続き、旧校舎の取り壊し作業は、急遽中止になってしまったらしい。ミチルの話を片隅で、私は旧校舎の事を思い出す。『あの旧校舎にまつわる話ね』あそこは、学校へ通うさいに何度も通った事はあるが特に何も感じなかった。ただの古びた昔ながらの木造でできた学校の校舎。そんな印象しか抱かなかった。

「じゃあ、消すよ……」

ぼんやり考え事をしていたらミチルの話は終わって居たらしく、今からライトを消す所だった。ゴクリと誰かが唾を飲み込む。小さな音を立ててライトを消して、ミチルから最初に数を数える。