74 †Confrontation† ページ14
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「じゃあ、これで勝負でもすっか?」
そう言って旭さんが取り出したのは、賽子二つ。
いつだかの、翔ちゃん奪還の時を思い出すな。
あの時勝てたのは、大野さんのおかげ……
それを思い出すと虫唾が走る。
A「目の和が大きい方が勝ち、ですよね」
「そうそう……いいか? 今回はイカサマなしで正々堂々やろうぜ」
A「イカサマもなにも、そっちがやったことでしょ? 俺はいつでも真剣ですから」
キッと睨みつければ、旭さんは意地悪く笑う。
またその顔に不快感を感じて、顔をしかめた。
A「早く、始めましょうよ」
「まぁまぁ、そうせかすなって。そこ座れよ」
ソファーを指差され、それに従う。
旭さんはどっかりと座り、足を組んでポケットをまさぐっている。
そして、コインを出すと上に高く放り投げて、手の甲と平で包み込んだ。
「裏と表、どっちがいい?」
A「……表」
「よし……あ、ざぁんねーん」
ちら、と見せられたコインは裏だった。
これじゃ先が思いやられるな、と思いながら翔ちゃんを見る。
彼は俺を見て、柔らかく笑った。
そな表情に後押しされた気がして、俺は旭さんを見つめ直す。
「俺からいくぞ?」
ころん、と転がってきたのは6が二つ。
なんて奴だ、と目眩がしてきた。
あっけなく終わってしまうなんて、ごめんだ。
A「俺も、いきます」
もう、どうとでもなれ……‼︎
俺はただ、翔ちゃんを手放したくないだけなんだ。
手放した二つの賽子の目は、6で揃っていた。
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作者名：CH!KA､
| 作成日時：2013年11月15日 23時
