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62 †That-three† ページ2
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旭さんの瞳に映る、俺の顔。
今にも泣き出しそうな、惨めで情けない顔だ。
こんな顔してたら、そりゃ笑われるよ。
俺の売りは、ポーカーフェイスで挑発的なところ。
何を考えているか分からないから、興味を示されるんだって。
それが崩れたら、俺はただの無力な人間でしかない。
「もう、今日はこれで終わりだな……」
最後にニヤッと唇を歪めた旭さん。
その後すぐに俺の肩に置いた手の力を抜く。
やっと動けるようになった俺は、勢い良くそこから抜け出した。
S「俺は、もうここには来ない……帰る、場所がありますから」
「……それが、無くならないといいな」
S「絶対、無くなりません。あの空間は、あの人……雅紀だけは」
無くならない、俺が無くさせない。
そこしか今の俺には居場所がないんだから。
その時にちょうど部屋のドアが開く。
隣の部屋から出てきたのが雅紀だと分かると、俺は彼にすぐ飛びついた。
この人なんだ、俺が求めているのは。
この人の腕は、世界中の誰よりも優しいんだ。
S「まさきっ……俺、帰りたいっ……」
早く、あの場所に帰りたい。
俺の中でいつの間にか雅紀は大きな存在になっていた。
最初は気まぐれで俺を引き取った人だと思ってた。
旭さんと顔が似てるのも、偶然に過ぎないんだって。
それだけ、だったのに。
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作者名：CH!KA､
| 作成日時：2013年11月15日 23時
