エレジーは嫌い【短編集】

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『じゃあ、これからは“寒い”って言ってくれたら、私の方からぎゅってするんで』
「そんなん俺もう寒いって言えなくなるじゃん」
『なんで？笑』
「寒いって言ったらハグしてほしいってことになっちゃうから」
『そんなことで照れないでくださいよ笑』
「やだよそんな合言葉みたいなの」
『あ、ちなみに私が“寒い”って言ってもハグしてくださいね』
「あー、やだやだ」
『なんでですか笑』


優しく笑う大輔さんの声が聞こえて、心の中までぽかぽかしてくる。寒い夜も、この人といればあたたかい。


「…でも、たまにはこうするのもいいかもね」
『たまには、じゃなくて、私はいっぱいしたいですけど』
「かわいいこと言うじゃん」
『いっぱいハグさせてくださいね』
「はいはい」


顔を上げると、赤くなった大輔さんの顔がすぐ近くにあった。


『あ、照れてますね』


にやにやしながらそう聞くと、大輔さんは何も言わずに優しく唇を塞いだ。照れ隠しの口づけで余計に顔を赤くしているその人を見て、しあわせだ、と感じる。

この人といれば、この人の腕の中に帰ってくることができれば。
きっと私はこの先も、しあわせでいられる。二人なら、冷たい冬も乗り越えられる。

そう思えた夜だった。




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作者です。

長い間更新が途絶えてしまい申し訳ございません。
忙しい毎日が続き、以前のような頻度で更新することが難しくなっております。
お時間を頂戴してしまうかと思いますが、皆さんからいただいたリクエストにはお応えしていくつもりですので、今後ともよろしくお願いいたします。


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聖なる約束 / K.Takahira→←ふたりなら / D.Shiba *

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