副流煙 / S.Okuda * ページ16
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同期の辻と飲んでいたら、だいぶ夜が深まってしまった。
『…うわ、日付変わってる』
マンションのエレベーターに乗り、自分の部屋を目指す。
帰ったらお風呂を沸かして、溜まってたLINEを返して…
脳内でプランを組み立てながらドアの前へ辿り着く。
鍵を開けて中に入ると、綺麗に揃えられた男物のスニーカーが待っていた。
残念ながら、先程のプランは一瞬にして役立たずになってしまったらしい。
『ただいま…って、寒っ』
ベランダに続く窓が少し開いている。
その隙間から顔を出すと、煙草を吸う彼の姿があった。
『ただいま』
その人はこちらを見ることなく、ぶっきらぼうに返事をした。
「遅かったな」
『ごめん、話が盛り上がっちゃって』
「誰と行ってたん？」
『辻』
「二人？」
『…うん、二人』
「…お前さぁ、」
こちらを向いた修二さんは、怒りからなのか悲しみからなのか、歪んだ顔をしていた。
「男と出かけるときは俺に言え、って言ったやん。ほんま危機感なさすぎるやろ」
『ごめん』
「それともあれか？俺のことなんか忘れてまうくらい楽しかった？」
『それは…』
「楽しかったんや」
漂う、アメスピの独特な香り。
煙草の煙は苦手だったけれど、修二さんと付き合ってからすっかり慣れてしまった。
「もうええわ」
灰皿で煙草を潰す。
そして私を引き寄せ、雑にキスをした。
「なぁ、俺だけやからな」
『え？』
「Aのこと、こんなに大切に思ってるん、俺だけやから」
『うん、わかってるよ』
寒いから中入ろか、と言うので、煙草の香りを纏った彼と部屋へ戻る。
『私も、修二さんのこと一番大切に思ってる』
先にソファに座った背中に向かって言うと、彼は振り向かずに手招きをした。
脱いだアウターをハンガーに掛け、隣に座るとすぐに抱き締められた。
「あー…ほんまに幸せ」
私の肩に顔を埋めた彼が口にした言葉に、頬を緩める。
私も、目一杯の力で抱き締め返した。
「強い強い笑 何？」
『これが私の愛の強さってこと』
「じゃあもっと強くてもええわ」
『もうこれ以上無理やわ』
「限界？」
『限界』
かわいいなぁ、と笑って、今度は優しく丁寧に唇を重ねる。
「愛してるとか、あんまり言いたくなかってんけど」
『言ってよ』
「…うん、愛してる」
『私も』
いつもは饒舌な彼から告げられた愛の言葉はあまりにぎこちなかったけれど、それでこそ修二さんだと思った。
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哀(プロフ) - ミサキさん» こちらのリクエスト作品を続編の方で公開させていただきました！ありがとうございました🙇🏻♂️ (2022年7月2日 10時) (
レス) id: 0fa5c6ec0e (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ - 了解です！待ってます！ (2022年4月25日 1時) (レス) id: 1fece32f94 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - ミサキさん» リクエストありがとうございます🙇🏻♂️あと少しでこちらの作品の話数が上限に達してしまうので、続編(？)にはなってしまうかもしれませんが書かせていただきます！ (2022年4月22日 18時) (レス) id: 924204f01f (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ - またリクいいですか？スカチャンのヤジマリーさんで、楽屋で飲み物をお互い飲んだら何故か入れ替わってしまって、入れ替わった状態でネタをした。ネタが終わったあと、ヤジマリーさんの相方の宮本さんに説明して、どうしたらいいのか、考えて最終的に戻る話お願いします (2022年4月20日 0時) (レス) id: 1fece32f94 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ - うひゃー！嬉しい！ありがとうございます！ (2022年4月20日 0時) (レス) @page48 id: 1fece32f94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀 | 作成日時：2022年1月29日 18時
