無地 ページ22
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初めて来るグランフロント大阪は、大きくて、煌びやかで、眩しかった。
その溢れるキラキラ感に圧倒されつつ、びっしり並んだ店を見ながら歩く。
特に買いたい物もないし、本当にノープランで来てしまったからどうすればいいかわからない。
川「へー、俺こんなとこ初めて来たわ」
『私もです』
川「Aちゃん何か見たいもんあるん?」
『いや、特になくて…前 相方からここの話聞いたんでちょっと気になって』
川「おぉ、そっか」
『川西さんは、何かあります?』
川「んー…あ、ちょっと何か服買いたいかな」
『…あぁ、川西さんも服買いはるんですね…』
川「そりゃ買うやろ笑」
『何か…川西さんも普通に生活しとんやなぁ、って思うと、感動しますね…』
川「こんなことで人を感動させられると思ってへんかったわ笑」
『えー、どんな服買いはるんですか?』
川「…あんま服とかわからへんねんなぁ」
『あぁ…何か、そうやろうなぁとは思ってました』
川「ちょっと、それどういう意味やねん笑」
『なんやろ、全身ユニクロで揃えてそうっていうか笑』
川「確かにユニクロにはお世話になっとるけど笑」
『ほらやっぱり』
川「白の無地のTシャツ何枚か持っとけばだいたいなんとかなるからね」
『まぁ川西さんはそれで充分や思いますけどね』
川「おっさんは無地の白Tだけ着とけって?笑」
『いやいや、そんなんじゃなくて笑』
そういうシンプルな服の方が、川西さんのかっこよさが引き立って素敵ですよ。
とは、さすがに言えなかった。
川「最近着れる服が少ななってきてもうてて、さすがにヤバいなぁ思てたとこやってん」
『そりゃ買っときましょ、私がお支払いしますよ』
川「どこで積極性見せとんねん笑」
川西さんは、そう言って私の顔を見た後、何か思いついたような顔をした。
川「…あ。なぁ、Aちゃん」
『はい』
川「お支払いはええから、服選んでくれへん?」
『…はい?』
川「やから、俺の服、選んでくれへん?」
ふく、と繰り返し言う川西さんを見て、やっと理解することができた。
『…あぁ、それは、えっと、つまり…私好みの川西さんを作り上げることができる、という、スペシャルサービスですか?』
川「…んー まぁまぁまぁ、間違ってはないけど笑」
『え?それを?川西さんの奢りで?』
川「奢りってそりゃ、自分の服やねんから笑」
『…本当に、ありがとうございます』
川「いや、そんな深々とお辞儀せんと笑」
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ぴの - お返事ありがとうございます!遅くなってしまって申し訳ないです😢えぇほんとですか嬉しいです(T-T)期待しています笑続編も嬉しかったです😢♡これからも更新楽しみにしています☺️頑張ってください! (2022年2月18日 23時) (レス) id: 07f35b63aa (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - ぴのさん» 温かいお言葉をありがとうございます( _ _ )!結末についてはお話できませんが、これからも変わらず読み続けていただけると嬉しいです🤍くるまさんメインの作品についても考えてみようとおもいます。今後ともよろしくお願いいたします! (2022年1月22日 2時) (レス) id: c39e85b81e (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - (続き)いつかくるまくんメインの作品も見てみたいです。これからも更新楽しみにしています。頑張ってください。 (2022年1月15日 0時) (レス) id: 07f35b63aa (このIDを非表示/違反報告)
ぴの - 初めまして。いつも楽しんで拝見しています。作中の芸人さんで特別応援してる方はいなかったのですが、主様が書かれるくるまくんが素敵すぎて令ロのことが好きになりました笑。名前の出順的にくるまくんは報われないのかななんて思い少し悲しいです(TT)笑 (2022年1月15日 0時) (レス) id: 07f35b63aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:哀 | 作成日時:2021年7月23日 16時