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そろそろお開きとばかりに卓上を片付け始めた倉持と沢村を横目に小湊はまだお酒を飲んでいた。
その様子をボーっと眺めていた御幸が徐々に覚醒していくのが確認出来た所で空になってるコップを御幸の手から取ってテーブルに置いた。
「スッキリした?」
「ん?あぁ、少し寝たし水も飲んだからな。大分醒めた。」
「あれくらいで酔うなんてね。」
「いやいや、容赦なく飲ませといて言うセリフじゃないですよ。」
「キャップが潰れるなんて珍しいっスね!」
「お前の作る酒が濃いんだよ。ったく」
(ごめん。私のせいだ、それ。)
テーブルに片肘付いて片付けの手伝いをしている沢村に恨めし気な視線を向けた御幸に心の中で謝罪した。
片付けを終えて戻ってきた倉持が座る前に二人分のお茶を目の前に置いてくれたのを受け取ると、沢村も自分と倉持の分のお茶を手に戻ってきて空いてる席に座った。
「亮さんと沢村は泊ってくらしいけど、お前どうすんの?」
「は?いや、帰るけど。その為にA呼んだんだろ?」
「ま、そうなんだけどよ。」
お茶を飲みながら倉持から向けられた視線の意味に気付いた私は御幸の腕から離れ身体を少し御幸の方へと向けた。
「ねぇ、一也。帰る前に確認しておきたい事があるんだけど、いい?」
「ん?どうした?」
御幸の視線がこちらに向き視線が交わると私の身体が御幸へ向いてる事に気づいたのか、椅子を少し引き御幸もこちらへと少し身体を向けてくれた。
「…一也はまだ、この先もずっと、私と一緒に居たいって、思ってくれてる…?」
改めて聞くには恥ずかしく、緊張もあり震えそうになる声を抑えながら言葉を出すのがやっとだった。
「は?何当たり前の事聞いてんだよ。どうした?何かあったか?」
「ううん。何かあったわけじゃなくて…今日が約束の日だから確認したくて。」
「ん?約束の日は明日……日付変わったのか。」
日付確認するために取り出した携帯を開くと察したように呟いた御幸にコクンと頷くだけで返した。
「この1年、すごく楽しくて幸せだった。もう一度、一也を信じてみたいって思えるようになったし、やっぱりこの先もずっと一也と一緒に居たいって思ってる。でも、不安がないわけじゃない。だから、完全に白じゃなきゃ許せなくなる。嫉妬だって沢山しちゃうかもしれない。前みたいに物分かりのいい彼女にはなれない。それでも…それでも一也は、私を彼女として傍に置いてくれる?」
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蓮月(プロフ) - 欅夏希さん» ありがとうございます!早めに完結出来るよう更新していきますので、最後まで楽しんでくださいね! (2020年3月29日 2時) (レス) id: ac253ad62c (このIDを非表示/違反報告)
欅夏希 - これからの展開が楽しみです!楽しみに待っています! (2020年3月26日 23時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮月 | 作成日時:2019年12月30日 2時