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私の視線が向いてる事に気づいた御幸は気まずさからかソファーの肘掛けに肘を立て掌で顔を隠すようにしてポツポツと話し出した。
「細かい時期は覚えてねぇけど、俺がプロ入りして2年経った頃くらいから………好きとかそういうの、言わなくなっただろ。」
「へっ?」
「だからっ……大学で、他に好きな奴が出来たんだと思ったんだよ。」
その言葉をきっかけに吐き出された内容は、付き合い始めてからずっと会うたびに私が御幸に好きって事を伝えてた事から始まった。
その頃から兄には愛情表現の大事さを強く言われてたから私なりの表現の仕方として好きって言葉を伝えてきた。
会って突然好きっ!とかそういうのじゃなくて、会話の中でそういう所好きとかそういった類のものなんだけど。
それがある時期から無くなったことに不安になり、試合に出るのが増え会える時間が減った事で気持ちが離れたのではと考えるようになったらしい。
その理由を聞く恥ずかしさと、そんな事でって思われたくないとの思いから中々聞く事が出来ず、モヤモヤと過ごしてる内に最初のゴシップが出てしまった。
ゴシップが出て誤解を早く解きたいと思って会った時に想像以上に動揺していた私を見た御幸は、まだ気持ちはこっちにあると確信が持ててホッとしたらしい。
そこから何度か出るゴシップの度に私の反応を見て気持ちを確かめていたことを教えてくれた。
「それからゴシップ出ても分かってるからって感じになっただろ?」
「一也の事信じてたし、出る度に誤解だって連絡来たら分かってるよって伝えなきゃでしょ。」
「そうなんだよな。それを素直に受け止めてたらよかったんだと今になって思うよ。」
ゴシップに慣れ始めた私の反応は逆に御幸を不安にさせただけだったらしい。
気持ちを確かめる術がなくなったと思って不安になった時に今度はゴシップ相手が交際を認めたのだ。
ゴシップ相手が交際を認めた事で相手のイメージを壊さないようにしたいと事務所を通して説得され球団側も認める形になった。
この件に関してはゴシップが出た時に御幸から説明を受けた。
こういう事になったけど表面上なだけで実際は何もないからと。
ただ、双方が認める形でのゴシップに私がまた動揺した事で御幸は新たに気持ちを確かめる事が出来て安心したという事だった。
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蓮月(プロフ) - 欅夏希さん» ありがとうございます!早めに完結出来るよう更新していきますので、最後まで楽しんでくださいね! (2020年3月29日 2時) (レス) id: ac253ad62c (このIDを非表示/違反報告)
欅夏希 - これからの展開が楽しみです!楽しみに待っています! (2020年3月26日 23時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮月 | 作成日時:2019年12月30日 2時