お に い ち ゃ ん。【鬼滅の刃】

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(続き)



時透無一郎

「…頑張ったね。偉いね」

鬼に対する怒りと泣くのを堪えて、優しく頭を撫でてくれる。頑張ったね、凄いね、偉いね。って、お兄ちゃんに言われるだけでも嬉しかった。お兄ちゃんも頑張ってね。

(…また、一緒に遊ぼうね)



不死川実弥

「お前に冷たくして、すまねぇなァ…」

苦笑いしながら、そう言ってくれる。私に冷たくしてた理由なら、もう分かってるよ。ごめんね、気遣わせて。私を、鬼との戦いに巻き込みたくないから遠ざけたんだよね。冷たく接したんだよね。有難うね、お兄ちゃん。

(…もっと沢山甘やかしときゃあ良かったなァ…)



煉獄杏寿郎

「俺が、お兄ちゃんが仇をとる！必ずだ！」

怒りが心を埋め尽くす中で、そう宣言してくれる。ねえお兄ちゃん。仇討ちなんかしなくていいんだよ。お兄ちゃんや千寿郎達が生きててくれさえすれば、それでいいから。

(……何故、こうなるのだろうか)



宇随天元

「…頑張ったな、A」

頭を優しく撫でて、名前を呼んでくれる。お前は俺の神様だぜ。まあ俺の方が位は上だけどな。とか場違いな事を言うけれど、その赤い瞳には小さな雫が溜まってて。泣かないでよ、お兄ちゃん。

(……今だけは、派手なんて言えねえな)



不死川玄弥

「母さんの次は…妹かよっ」

頬を溢れる生暖かい水で濡らしながら、苦しそうに言葉を口にする。先に行って母さんと待ってるね、なんて言葉はもう伝えられなくて。あれ？死んだ筈なのに、何でこんなにも暖かいんだろう？

(最後の抱っこだ。Aが小せぇ時、よくしてやってたなァ…)



いつか、別れの時は来る。

そんなこと分かっていたけれど、その時が来るのは、


あまりにも早すぎて。


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