・ ページ37
・
好奇心旺盛な若者らうるが一番に乗り込み後に康二さん亮平さんと続き、佐久間さまが乗り込むと船の先端に足を乗せ手を差し出してくれる。
「ゆっくりね〜」
「ありがとう」
怪我をしたままの足を庇って乗り込もうとしたら体がよろけたけど、佐久間さまの胸板にトンッと受け止められて難無く乗り込むことができた。
「それでは、いざ行かん！鬼ヶ島へ！」
舵を取り、目指す先を指さして船は沖へと出発だ。
「なんな〜ん？ めっちゃ近くに見えてんのになんで着かんわけ！？」
そうです。
康二さんの言う通り、船に乗って随分と揺られたはずが距離が縮まないのはなんで？
「おえええっ」と、前方から船酔いしたらうるが魚に餌を撒き散らしてるし。
私も少し酔ってきたかも。
「波が高いんだよ。島に異物を寄せ付けないようにしてるみたい」
隣で冷静な亮平さん。
どこに居たって涼しいお顔をしていらっしゃる。
「その通りでやんすよ。本来ならさっき見た浅瀬の道から行けるからね。自分達以外の奴らを島に入れないようになってる」
「だったら、それを知ってるならなんでこの方法を選んだ」
「年がら年中宴を開いてはいるけど、鬼だって馬鹿じゃねえからさ。さっきも言った通り真正面から攻めたら、人間なんてひとたまりもないでやんすよ。だからこそこの方法なのよ」
佐久間さまの話によれば、常に飲めや騒げの鬼たちでも一応警戒心はあるらしくて、唯一の通り道である場所には常に一人は見張りがついてるらしい。
それ以外の場所からはこの荒れた海の中や、雷雨の空からなど来れないと余裕ぶっこいてるらしいくて、そこを攻めるのが一番良いだろうと。
「まあ、真っ当な作戦か。でも、辿り着けないんじゃどうしようもない」
「うーん、今日はいつもより荒れてるもんなー。仕方ない、ちょっとみんな船から落ちないようにしっかり掴まっててよー？」
空を見上げた佐久間さまの予定では、天候が荒れる前に島に渡りたかったみたい。
でもそう上手くいかないもんよね。
「え、佐久間さまっ？」
人にしっかり掴まれとか言った本人が、たった今手を振ってバシャーン！と荒れた海へと身を投げた。
「はっ！？」
「え！！」
「ウソやん！」
こんな荒れた海に残されたのは、犬雉猿桃って……うわ、絶望的。
えええええ！？
「て、なにあれ！？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1625人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
