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「ここはなー、上里一家が仕切ってる島じゃからのお。その稼いだ金は勿論俺たちに払わにゃならんよのお」
独特の話し方だな。
そんな事より上里って何処かで聞いたなと空を見上げていたら、キュッと着物の袖を引かれて隣にいた らうるの不安そうな顔を下から見上げた。
ああそうか。つい先日この子の口からその名前は聞いたんだ。
「結構大きなヤクザものなのかもね」
反対側からボソッと耳打ちしてきた亮平さん。
こくんと頷き、さてこれからどうしたものか。
「ほらほらー、金寄越せや寄越せや!」
狐顔の男は口だけ動かし、でっぷり大男が金棒をコツコツと掌に当てながら距離を縮めてくる。
「やーだよ! これは私達が稼いだ金なんだ。どうせあんたらに渡したところでろくな金の使い方しないでしょうが!」
「良い使い方したって渡さんけどなー」
「もうっ、鬼退治の前にヤクザに喧嘩売るわけ?」
私の前に康二さん亮平さんがスっと立ち上がって、ボヤくは愚痴るわ。
そう言えばこの人達戦えるんだろうか?
「Aちゃんは、危ないから下がっとき」
「お前が俺の相手すんのか?チビのくせに?」
「チビちゃうわ。お前が無駄に贅肉くっつけてるだけやろが」
あ、怒った。
ムスッとしたよ大男。
金棒を空に向けて持ち上げると、一気に風を切る。
「康二さんっ!?」
あのままだと脳天から潰されると緊張が走り、だけどペキペキと橋板が割れたとこには康二さんの潰れた身体はなくて、
「無駄が多いわ」
いつの間にか大男の背後に回っていた康二さんが、さっきまで吹いていた笛の端を掴んで引っ張り、その先から鋭い刃をチラつかせていた。
「へえ、隠し刀か」
「康二さん意外と使える!」
「おいっ!」
イケイケ!やっちゃえ!と応援していれば、ありり?
「なんであっさり捕まっとんねん!アホか!!」
「仲間が他に居るなんて聞いてないもーん!」
突然現れたお仲間さんに背後からよろしくされてしまった私桃姫です!こんにちは!
「阿部ちゃんもボケっとしとらんと加勢せい!」
「無理! 俺頭脳派だからね!」
と言って、運動神経は良いのか敵の攻撃は見事避けてる。
でも私を助けてはくれなさそうだし、康二さんは大男を相手にするのに精一杯だろうし、私は捕まってるし、らうるは怯えてる。
うん、やばい!
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます!一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます!一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜!!続きも楽しみです! (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます!!お話書かれてるんですね!?よし見に行かねば!! いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです!一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください(笑)食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ?(笑)まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです!ありがとうございました! (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月24日 1時