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「最後にお兄ちゃん達に捕まって良かったよ！」
「最後？」
亮平さんは意味がわかるのか、顔を顰めて他所を見る。
康二さんも頭をかいて口を閉ざしてしまった。
「俺ね、もうすぐ売られるんだ。この歳にもなると厄介者扱いされるから、大人になる前に売られるって前にいた仲間が言ってた」
大人しかった子供も大きくなってしまうと反抗して手がつけられなくなるから、その前に売って金にしてしまう。
女子の場合は遊郭へ、男の場合は労働者として売られる場合もある。
が、らうるは違った。
「お前みたいに異国の血が混ざった珍しい男子は高く売れるやろな」
胸糞悪いわ、と康二さんは立ち上がって話から抜けてしまった。
らうるの行先は陰間茶屋。男が性を売る場所で、らうるなら高値で売れるだろうねと亮平さんは溜息を吐いた。
「俺の話をまともに聞いてくれた大人はあんた達が初めてだった。だから最後にお兄ちゃん達に捕まって良かったのかもね！」
「っ、」
「………」
健気に微笑む らうるを見ていられなくて、たまらず瞼を押さえる康二さん。
「うーん」
「どうしたの？」
腕を組んで唸る私。
三人は何だ？何だ？と。
「あのさー、だったら逃げる？
私たちは鬼を倒すために鬼ヶ島へ行くんだけど、一人でも仲間が欲しいとこなんだけど」
「鬼？」
「うん！ これから鬼退治に行くの。どうする？ 君が行くというなら、仲間になる？」
「仲間……」
らうるは、食べきった団子の串をじっと見つめている。
「君の素早さは武器になる。あ、それに！団子を食ったんだから、嫌だとは言えないんじゃない？」
「結構強引だよA」
「えへへ！」
「まあ、ええやないの。どないするんや。お前自身が決めや、自分の将来どないしたいんか」
立ち上がって着物についた誇りを払う。
そして考え込む らうるに手を差し出した。
「これまでは君の未来を壊す大人しか居なかったかもしれない。だけど少なくとも私たちは、君と未来を共に歩みたいと願うよ」
さあ、この手を取りなさい。
そして行こう。
「鬼退治へ！！」
「カッコつけとるけど、要は仲間欲しさよな？」
「まあそういう事だよね」
なんとでも言いなさい！
「俺、行きたい……自分の足で歩きたい！」
「ふふ、じゃあ決まりね！」
こうして新たに猿も加わり賑やかな旅になりそうです。
て、今日の寝床問題どうなった！？
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
