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「おお！ こりゃあ可愛い男の子の出来上がりだね！」
着替え終わり佐久間様の前に出ると、うっとりとして褒めてもらえる。
だけどこれ佐久間様の着物とお揃いの紫色の袴で目立たないか？
「闇夜では黒と同化して目立たないっしょ！」
「え、昼は？」
「それ上等なものだから位が高い者と思われて、下手に手出しはできないでしょ！」
「え、でも山賊とかは逆に襲わなれない？」
「……大丈夫っしょ！」
「ええ！？」
間があった！めっちゃ間があった！！
この人もどこか抜けているらしくて、とりあえず城の追手から逃げられたら後は何とかなるよって脳天気な考えらしい。
「さあ、行こっか！」
不安は拭えないものの、差し伸べられたその手を取る。
ひやっとするその白くて大きな手を握ったら、あっという間に抱き上げられた。
「しっかり掴まっててねん！」
「へ！？ え、え！？」
姫抱きされて恥ずかしいと思う間なく、ぐんっと地上を蹴って塀の上に立っていた。
大きな満月が目の前に浮かんでいて「綺麗だねえ」と、見上げた佐久間様の顔は口角を上げて笑ってる。
「Aの門出を祝ってるようだ」
私の門出。
これから私は初めて旅をするんだ。
隣村、またその隣くらいなら行ったことがあるけど、今度はそんなものじゃない。
危険だってあるかもしれない。
スタッ！
「不安？」
「……ちょっと」
地上に降りたのに未だに抱えられている。というより、私が佐久間様の首にギュッと抱きついているから降ろせないのか。
すると頭上から「にひひ」と笑い声。
「大丈夫。Aがピンチになった時は佐久間が必ず助けてあげるよ」
だから頑張るでやんすよ。と、額にチュッと口付けられる。
かぁぁと、火照る頬。
見上げると佐久間様は相変わらずニヤニヤしていて、
「んふ、そんな期待めいた顔で見られると食べちゃいたくなるじゃん！」
「んなっ！？ 私は美味しくない！」
「それはどうだろねえ」
これは色んな意味で危険だ！
身の危険を感じ慌てて自ら佐久間様の腕の中から降りる。
すると冷たい風がひゅーっと吹いて、途端にまた不安になった。
この暗闇の中を行くのか。
「大丈夫。行っておいで」
振り返ると優しい笑みで手を振る佐久間様に背中を押された気分になった。
「佐久間様、またね？」
「うん、またね！」
また会いたいと思いながら私は前を向いて歩き出した。
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
