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海外出張から戻ってくる彼女を空港まで迎えにきた。
車のなかでしばらく待っていると、Aと会社の人であろう男の人が2人、すごく親しげに歩いてくる。
は？
いやいや、先輩と2人とは聞いてたけどイケメンとは聞いてへんで。
しかも俺の好きなあの笑顔めっちゃふりまくやん。
っていうか距離近すぎやろ。あ、触った！
……なんなん、めっちゃ腹たつ。
『慎吾、お迎えありがとう〜。』
「……おかえり。」
『？どうしたの？？？』
「べつにぃ。」
たぶん思いっきり不貞腐れた顔してる俺を見て、不思議そうな顔をするA。
あかんあかん、せっかく会えてんから。
そう気合いを入れ直して前を向いたら、さっきの先輩がじっとこっちを見ていた。
ああ、そういうことか。
それやったらこっちも、
「A、」
『ん？』
「お疲れ様。」
会いたかったで、と後頭部に手をまわしてキスをすれば、たちまち真っ赤になるAの顔。こんな可愛い顔見れんの俺だけなんやって思ったら、さっきのイライラなんかどっかいってもうた。
さっき先輩が立っていたほうを見ると、もうそこには誰もおらんくて、さらに俺は上機嫌。
『も〜〜いきなりなに！』
「いややったん？」
『そういうわけじゃないけど、』
「じゃあいいやん。」
「まあ続きは帰ってからやな！」
さっきよりも顔を赤くするAの頬にキスを落として、車のエンジンをかけた。
(『一回家帰っちゃダメ…？』)
(「あかん。俺ん家直行やで。』)
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作者名：oniononion | 作成日時：2017年6月16日 22時
