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F 9 ページ27

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宮西さんに、今日なんか気合い入ってんな、と言われ
増井さんには、たしかにいつもより化粧濃いね、とイジられた。

理由を知ってる鍵谷さんは横でニヤニヤしていて、




「苗字ちゃん、いよいよだね。」
『……はいっ、』




飯山さんの引退セレモニーのために、約一ヶ月ぶりに卓さんが札幌に戻ってきた。
昨日の夜は私に用事があって会えなくて、再会はここ、ドームで。




『化粧、濃いですかね…?』
「ん?いや、俺はいいと思うよ?」
『よかった、鍵谷さんに言われると安心する…。』




ふと鍵谷さんの視線が動いて、
あ、卓だ、というその声に心拍数は一気にあがる。




「っす、」
『おっ、お、久しぶりです。』
「おかえり、卓。」

「ん、」




じゃあ邪魔者は退散するね、とヒラヒラ手を振ってその場を後にする鍵谷さん。
その後ろ姿を見送っていると、急に腕を引っ張られて、人のいないトレーニングルームに押し込められた。




「A、」




そのまま後ろからフワっと抱きしめられる。





『た、卓さん……。』
「会いたかった、」
『……!!!』




首元にあたる卓さんの息がくすぐったいけど、そんなことを気にしてる余裕なんかなくて




『卓さん、』
「ん?」

『か、かおが見たい、です………。』





耳元で卓さんが息をのんだ。
緩められた腕の中で、身体ごとクルっと振り向けば、すこし驚いた顔の卓さん。





『私も、会いたかったです…。』
「あほ、可愛すぎるやろ、」




卓さんの胸に飛び込めば、さっきよりもしっかり抱きしめてくれる。




「A、顔上げて?」
『え? んっ、!』




突然降ってくるキスに、今度は私が驚きと恥ずかしさを隠せない。





『も、もどらなきゃ…、』
「ダメ、もう一回、」
『んっ、た「だまって、」




結局どのくらいそうしていたのか、最後にもう一度キスをした卓さんが耳元で囁いた。





「今日終わったら俺の家な。会えんかったぶん、充電させて。」








(7「全部丸聞こえなんすけどね〜。」)
(19「本人たちは気づかれてないと思ってるんだし、そっとしといてやれ。」)
(25「こいつらほんっまアホや。笑」)
(30「ははは…。」)

((((それにしても、卓(さん)甘すぎ。笑))))





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作者名:oniononion | 作成日時:2017年6月16日 22時

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