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「ただいま、」
『あ、おかえり〜。』
「なに、珍しいやん。そんなん見て。」
冷蔵庫から水を取り出して、DVDに夢中のAの隣にドサっと腰を下ろす。
俺もテレビに目をうつすと、画面のなかで激しいカーチェイスが繰り広げられていた。
『……ミア綺麗だね。』
めっちゃ小さい声やったけど、隣に座ってるから俺の耳にはちゃんと届いて、
普段アクション系を見ないAが、なんでワイルドスピードを見てたのか一瞬にして理解ができて、思わず口元がニヤけた。
「気にしてるん?笑」
『だって、あまりにもタイプちがうんだもん。』
ほんまはこういうのやって面倒くさいって思うタイプやねんけど、たぶんAのヤキモチとか初めてで、何でか可愛く思えてしまう。
めっちゃいいとこやけど、DVDを止めてAのほうへ向き直る。
「現実で、俺の横におんの誰?」
『私…、』
「それじゃあ、あかんの?」
フルフルと首を降るAの頭にポンっと手をのせる。
シーズン終盤、遠征続きで寂しい思いさせてたんかも。
「ちゃんと好きやから。」
『うん、』
「ミアより好きやで。笑」
(Aの理想は?芸能人とかおらんの?)
(………慎吾くん。)
(香取慎吾?)
(ううん、石川慎吾。)
(は!?!?)
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作者名:oniononion | 作成日時:2017年6月16日 22時