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冷や汗をかきつつジェボムに視線をやると、意地悪いニヤニヤとした表情があり、私はすかさず口元の彼の手をやんわり払いのけた。


すると落胆の感情を表情へ前面に押し出す彼。



「でも、だって、それは嫌」



私がするなら良い。


だけどされる側はいや。


ジェボムはため息を吐きながらみかんを自ら食べ始めた。



「私のみかん……」


そう呟けばじとーっと睨まれる。


ええ、私が悪いんですね。
そうですねと苦笑。



「ごめん、機嫌直して」

「…」



ジェボムは斜めから私の隣に座りなおし、腰をぴったりくっつけた。


手にはみかん。


着流しから見える鎖骨に視線が一瞬固定される。


なんという色気だろう。


可愛らしいとかではない妖艶で男の色気。


私の腰に手が回されより一層密着する。


勉強どころではない。


完全に意識はジェボムへと向いている。


もしかしたら、これは彼の思惑通りなのか。



「口を開けろ」



命令形。


少しむっとするけど、ジェボムはいつもこうなのだ。


そんな事をいちいち指摘して居たら日が暮れる。



「あ」



割り切った私は目をつむり口を思いっきり開けた。

ぽんと放り込まれるみかんらしき物体。


プライドもなにもなくした私。


咀嚼しようとすれば「んぐっ」と衝撃に呻く。


目を開ければ零距離のジェボムの顔。



「んん、」



合せられた唇、口内に入ってくる舌。


そして転がっているみかんの粒。


思わず彼の胸を押し返すがびくともしない。


口内を転がるみかんはジェボムと自らの舌で擦り合わされ甘い汁が広がる。


甘い。甘過ぎる。


変な感覚だが、二人でみかんを食べている事に興奮した。


くちゅっとつぶれて行く果実。


甘い汁と擦り合わされる舌。


眩暈がする。

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かん(プロフ) - 投稿されるの楽しみに待ってます\^^/ (2015年11月23日 11時) (レス) id: 77ee2827c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田 | 作成日時:2015年10月6日 2時

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