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「ほら、Aちゃんはちゃんと集中してるんだから俺らもちゃんとやろう!」という鈴村くんの声に顔を上げる。



さぞかし間抜けなきょとん顔を晒しているだろう自分。


二人が私を見る。



「まったく、鈴村は本当Aが好きね」


「はあ!?な、な何言うんだよ」


「どもり過ぎ」


「ちょ、っと、お前なあ!」



ちらちらと赤い顔をして私とゆりちゃんを見やる鈴村くん。


そして我関せずと本を広げ始めるゆりちゃん。


楽しそうだなあ二人のやり取りは。


私も鬼とか試験とかもう考えたくないよと苦笑。


鈴村くんが視線を物凄くうろうろさせ、私から静かに視線を逸らした。


なんだろう。



しかしそれからは三人、言葉少なくそれぞれ本とノートと睨めっこを始めた。


たまに他の二人が欲しそうな情報を見つけると教えたり教えられたり。


課題は順調に進んだ。


鈴村くんが「新しい本探してくる」と立ちあがって本棚の奥に消えた。


それを私とゆりちゃんは見送って、「ねえ」とゆりちゃんが話しかけてくる。



「ん?」


「Aさ、鈴村の事どう思う」


「え、えー?筋肉がカッコいいなって思う」


「…変態っぽいわよ」



素直に言ったのに酷い言われようだ。


じゃあ何なんだと眉を寄せた。



「付き合わないの?」


「……なんで?」



数秒無言で、真剣なゆりちゃんに見つめられたが突拍子も無くそんな事を言われている意味が分からない。


そもそも私は鈴村くんを男の子と認識してはいるが恋愛対象ではない。


鈴村くんだって同じようなものだろう。


じゃなきゃこの三人で行動するのは不自然な気がする。


「はぁ、まあ良いわ。Aらしい」


ゆりちゃんに苦笑される。


なんだか失礼な事を言われている気もする。


でもよく分からないのでモヤモヤしながらもまた本に目を落とした。


「あ」と声が思わず出てしまい、ゆりちゃんに目を向けられる。


「なんでもない」と取り繕ってから再度、活字に目を落とす。

・・→←鬼の伝承



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かん(プロフ) - 投稿されるの楽しみに待ってます\^^/ (2015年11月23日 11時) (レス) id: 77ee2827c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田 | 作成日時:2015年10月6日 2時

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