鬼の伝承 ページ19
旧図書館ではなく、比較的新しい方の図書館で適当にそれっぽい本を何冊か見つくろって座る。
私の向かい側にはゆりちゃんが居て、隣には鈴村くんが座った。
二人とも辞書のような厚さの本を何冊も積み上げている。
それらの中に、求めている内容はどれほどまで含まれているのか。
うーん、直ぐ済めば良いけれど。
図書館は閑散としていてやり易い環境だ。
「俺の地元関連の内容なんてあるかな〜?」
と、鈴村くん。
彼は南の方の出身だった気がする。
どこだか忘れてしまった。
ゆりちゃんは同じ県で市が違った筈。
「鈴村くん、出身どこだっけ」
「忘れたのか?Aちゃんてば酷い」
眉間にシワを寄せて怒る鈴村くん。
イケメンは、どんな顔も絵になるなあ。
へらっと笑って「ごめん」とだらしなく返す。
「あれ、本当にどこだっけ」
「えー、二人して酷いなー!」
ゆりちゃんと鈴村くんが繰り広げるそんなやり取りを尻目に、一番上にあった本を開いてみる。
私はこの地域の事を調べようと考えていた。
お爺ちゃん家も此処だし良いだろうと。
あわよくば鬼についても知れたらいい。
そういえば、と何気なく気配を探る。
ジェボムはどこに行ったんだろう。
この付近には気配はない。
授業中はあの子が居てくれて助かった。
未だにあれが何だったかは不明。
ただ、普通の人間より存在の世界があちら側に近い事もあって、変な力の存在に流されやすいのは分かってる。
あんなに酷いのは稀だけれど。
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かん(プロフ) - 投稿されるの楽しみに待ってます\^^/ (2015年11月23日 11時) (レス) id: 77ee2827c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田 | 作成日時:2015年10月6日 2時