私はキノコ以下ですか？！【ジェイド】

陸上の邂逅＿＿ ページ18

『へぇ〜、人魚くんって目の色左右で違うんだね！』



確か僕の目の色を見てそう言った。



僕はこの色が嫌だった。まだ兄弟がいたから良かったけれど、



「………気味悪い、とは思わないのですか？」



『ん〜？だって私もいじめられてるから………』



愁いを帯びた瞳は切なくて気が付けば



『えっ、人魚くん？？』



貴女を抱きしめていた。



「貴女はひとりなんかじゃない、僕が付いてます。」



『本当？？』




このまま海に連れていければいいのに、なんて。





『わかった！じゃあ次に会ったら＿＿＿＿＿』




でも、あの約束はもう覚えていないんでしょう？




『あ、あのっ、名前聞かせてくれませんか………？』





『ジェイド先輩！！私今日可愛くないですか？！全部先輩のため………って言い終わる前に逃げないで。』





『＿＿私もヴィル先輩のこと本気で好きですよ。』




「っ、本当に貴女はいつも僕を惑わせるだけだ。」




『＿＿ねぇ、ジェイドくん。また会える？』




「もう会ってるんですよ。僕たち。」




＿＿＿A。もう一度だけでいいから






「僕のことを思い出してください………」




叶わない思いを僕は口に出した。




この願い(約束)もこの願い(恋)ももう終わったのに。

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