鬼喰イ (ページ18)

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8. ページ18

「嘘だ！」

気が付けば叫んでいた。私が私を苦しめるはずがない。そんなことをするはずもない。

「ユメカワ？」

「嘘つき、助けてくれるって信じてたのに。酷いよイサキくん……」

イサキくんが助けてくれると思ったから相談したのに、頑張って眠ったのに。こんなに酷い嘘を吐くイサキくんなんて、私の夢には必要なんてない。

『彼なんて、消えちゃえばいいんだ』

耳元で、クーヤ様が囁く。私はその言葉に従う、彼を排除する方法は自然と分かった。ここは私の夢だ、念じれば直ぐに私の身体からクーヤ様が生まれ、イサキくんを狙う。

引き攣れるような痛みが絶えず私を襲ったが、彼に騙された時の絶望に比べたら、きっとずっと痛みの少ないものだ。

「っの、じゃま……だ、テメェらぁ！」

イサキくんが異形の手で砂の地面を叩く。

暴風が巻き起こり、巻き込まれたクーヤ様たちが壊れていく。ガラスを床に叩きつけたように、粉々になっていく。

「あ、ぁ……。嘘だ、嘘……」

「話も聞けないってか……」

イサキくんの声が遠い。視界が、黒く霞んでいく。

『あっ、はは…………。あは、あはははっ』

今笑っているのは、私なのだろうか。