305号室のユンギくん。

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—YG side





ヌナから電話がかかってきてビビったけど
率直に嬉しかった。
作業してたのもあるけど、なかなか寝付けずに
ベッドでゴロゴロしてたとこだった。


隣の部屋、壁越しにヌナがいるのに、
耳元で囁かれているようで。
寝起きのちょっと鼻にかかったような、
眠そうな声が、電話越しに聞こえる。





「ユンギくん…眠たくないの？」

『ん…なんか寝れねぇ。
　ヌナは、眠たいんだろ？』

「ふぇ…？」

『声聞いてたらわかる。眠そうな声。』

「ふふっ…ユンギくんはなんでもお見通しだね…」

『なぁ、』

「ん…？」

『いや、なんでもない。
　寝ろよ、おやすみ。』

「なに…？気になって寝れない…」

『や、いいよ。』

「なぁに…」

『……ヌナと一緒なら寝れる、かもって…』

「ん…いいよ…」

『は？』

「きて…」

『いや…まじで言ってんの？』

「ん…」

『いや、やっぱいいや…
　寝ぼけてるヤツの話は信用できねぇ。』

「寝ぼけてないよ…あ…鍵開いてる…から…」

『はぁ？昨日閉めろって言ったろ…
　…………？
　おい、ヌナ？』






返事がなく、小さく寝息が聞こえてきた。



…ったく……
あれだけ戸締り気をつけろって言ったのに…

寝巻きのまま、部屋に鍵をかけて
隣のヌナの部屋に行った。
ヌナが言ったように、鍵はかかってなかった。
鍵を閉めて、ベッドに向かうと、
布団にくるまったヌナがいた。





『ヌナ、』

「あ…ユンギく…」

『鍵かけろって言ったろ…』

「ん…ねよ……おいで…」





Tシャツの裾を力なく引っ張られた。
ここまで来たものの、本当に側に行ってもいいのか。
この前のことを考えると、
やはり一緒に寝ないほうがいいんだろうけど
一緒に寝たいという気持ちが強い。





『…朝起きてもビビるなよ。』

「ん…」

『はぁ…』





少し布団をめくって腰掛けると
ヌナはもう目が閉じかけていた。
どうなっても知らねぇ…

シングルのベッドへ潜り込んだ。





「ふふっ…あったかいね…」

『寝てんのか起きてんのかはっきりしてくれ…』

「へへ…ぎゅってしたげる…」

『ちょっ…』





次の瞬間には、ヌナの胸に埋もれていた。
ヌナの胸は意外にもデカくて…
いやいや、何言ってんだ…

はぁ…何してくれてんだよ、
こちとらただでさえこの状況でやばくて
理性と戦うのに必死だというのに…。




「うごいちゃだめ…ねるの……」




どうやら俺には拒否権がないらしい。
心を無にして、目を閉じた。




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