28 -JK side- ページ28
—JK side
彼女を知ったのは、約1年前。
"ｊ"として活動し始めてから、時折訪れるスランプ。
気分転換に街をふらふら歩いて
曲作りのヒントを探していた。
たまたま入ったカフェ。
そこで働いていたのが、Aちゃんだった。
コーヒーを注文し、
カウンターで受け取るとき、
「熱いので気をつけてくださいね」
たったその一言、
誰にでも言う言葉だろうけど、
目をしっかりと見て
にこやかに話す彼女に
心を奪われた。
第一印象は
"笑顔が可愛い女性"
だった。
そのカフェは、客席が多く、
入れ替わり立ち替わりでお客さんが訪れる
人気店だった。
俺が度々通っても彼女は気づかなかった。
でもそれがよかった。
週に1回、多い時は2、3回、そのカフェに通った。
彼女がいる、というのもあったけど、
人間観察をするにはちょうどよく、
毎回違う座席に座り、タブレットで
思いついた歌詞やメロディをメモした。
案外、みんな周りを見てないもので、
俺がｊだなんて、誰もわからなかった。
まぁ顔出しはおろか、
インタビューも受けないからバレるはずがない。
それでも何度か、隣の席になった人が
『ねー、最近出たｊの曲、聞いた？
めっちゃいいよね〜！何度も聞いてるわ！』
なんて話すたびにそわそわして、
必死に聞き耳を立てたりしたこともあった。
何度も通うたび、
気がつけば彼女を目で追う自分がいた。
いつもニコニコしていて愛想が良く、
スタッフとも仲が良さそうだった。
ベテランなのか、新しく入ったスタッフに
指導する姿もあった。
と、まぁここまで言えば
ストーカーみたいだな、と自分でも思う。
カフェでたまに接客してくれるだけでよかった。
彼女を、客席から見るだけで十分だった。
それ以上は何も望まなかった。
けれど、あの日の夜、
自分の考えは180度変わることになった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1263人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
oniku(プロフ) - かのんさん» かのんさん、はじめまして！コメントありがとうございます(o^^o)癒されると言って頂けて嬉しいです(*´-`)まだまだ続く予定なのでよければお付き合いくださいねー★ (2021年8月31日 6時) (
レス) id: 84890a7b9a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - お話読んでて、二人の日常が可愛くて楽しそうでとても癒されます。 (2021年8月30日 23時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おにく
| 作成日時：2021年8月26日 19時
