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『いや、いいよ(笑)
あー…これ聴いたことない？』
グクくんはスマホで音楽を再生した。
「うん、聴いたことあるよ。
あるっていうか、ｊじゃん。
わたし好きでよく聞いてるって
『俺。』
「…は？」
『いや、だから…これ、俺。』
「ん？」
『俺が歌ってる。』
「……いやいや、冗談はやめようよ。」
『冗談じゃない。俺なの。歌おうか？』
「いや待って、まじで…
頭がついてかない……グクくんが…？は？」
『まぁ無理もないよ。
俺、メディアとか出ないから。
出ても紙面のインタビューくらいだし。』
「いや、それは知ってる。
全部チェックしてるから。
いやでも……歌声と…今の声が…」
『うん、歌う時は高めの声になるんだよね。
普通にしゃべるときは低音だから
気づかれたことないよ。』
頭が真っ白でついていかない。
わたしの隣にいる、この人があのｊ…？
ｊは、テレビはもちろんのこと、
ラジオやインタビューは受けないことで有名で。
プライベートは完全に謎に包まれている。
どれだけ検索しても本名も歳も、性別まで謎。
わたしも好きになってから調べまくったけど、
何一つ情報が出てこなかった。
まぁ、どんな人だとしても
いい歌に変わりはないから調べるのをやめたけど。
『…雨上がりの〜♪』
「…！」
『信じてくれた？』
「……」
『口も目も、全部開いてる(笑)』
「え、あ、いや…」
『よく聴いてくれてるの？』
「え、…あの…すいません…」
『なんで敬語(笑)』
「いや、あ、その…ほんとに…
信じられなくて…めっちゃ聴いてるから…」
『そうなんだ。ありがとう。』
「あの…こんなとこにいていいの？
バレたら大変なんじゃ…
いや、いまわたしにバレたか、」
『テンパりすぎ(笑)
あーなんだろね、
Aちゃんならいいかなって思ったんだよ、
バレても。』
「…どーすんの、逆にわたしが
ｊのことめちゃくちゃ嫌いだったら。」
『あーそれはショックだね。』
「あ！ｊって…！」
『うん、"ジョングク"のｊ。
安直だけどね(笑)
ねぇ、買い物して帰ろうよ。
夜ご飯、Aちゃんの作ったのが食べたい。』
「え、あ…うん…。」
これは…夢か？
あの、いつも聴いてる曲を歌ってる
ｊが横にいるなんて。
ましてや、わたしが助手席に座って
運転してるぞ？
心臓バクバクなわたしをよそに、
グクくんはスーパーの駐車場へ車を停めた。
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oniku(プロフ) - かのんさん» かのんさん、はじめまして！コメントありがとうございます(o^^o)癒されると言って頂けて嬉しいです(*´-`)まだまだ続く予定なのでよければお付き合いくださいねー★ (2021年8月31日 6時) (
レス) id: 84890a7b9a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - お話読んでて、二人の日常が可愛くて楽しそうでとても癒されます。 (2021年8月30日 23時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにく
| 作成日時：2021年8月26日 19時
