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『ちょっと歩かない？』
車を降りて、海沿いの道を2人で歩く。
太陽が、海に沈みかけている。
海岸には誰もいなくて、
屋根があるベンチがあったから
そこへ座った。
ショッピングモールに着くまで
ずっと降っていた雨も上がって、
あの匂いがした。
「あのー…なんだっけ？この匂い。」
『ペトリコール？』
「あ、そうそう、ペトリコール。
グクくんも好きって言ってたね。」
『うん、好き。
嫌いって人もいるけどね。』
「確かに。
あ、そういえばあの曲にもあったな…。」
『あの曲って？』
「好きな歌手の人がいるんだけど、
その人の曲の歌詞にも…確か
"雨上がりのペトリコール"
ってあったような…。聞いた時は、
ペトリコールってなんだろ？って
思ってたんだけど…
ってごめん、ペラペラ喋っちゃって。」
『…いや…いいよ。
好きなんだ、その曲。』
「うん、曲っていうか、その人が好きかな。
ｊっていう人なんだけど、その人の書く
歌詞がめっちゃいいんだよね。
歌詞だけじゃなくてメロディーも最高なのよ。
あの人を知らない人は人生損してるよ、うん。」
『そーなんだ。』
「あ、ごめん、なんか熱く語ってしまった(笑)」
『いやいや！
夢中になれるのがあるっていいと思うよ。』
一瞬訪れる沈黙。
海風と、波の音だけが聞こえた。
揺らめく波を見ながら、
彼にかける言葉を探した。
「あの…さ…」
『ん？』
「さっきの…聞いてもいい？」
『あぁ、仕事？』
「うん…
あっ！でも言いたくないなら
言わなくてもいいよ！
全然…、大丈夫。」
『いや、言いたくないとかじゃないんだよ。
そこまで身構えられると？
言いにくいよね(笑)』
「え、あ…ごめん…。」
全然見当がつかない。
株か？
不動産か？
はたまた親が金持ちか？
謎が巡るわたしに言った
グクくんの答えは、意外なものだった。
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oniku(プロフ) - かのんさん» かのんさん、はじめまして！コメントありがとうございます(o^^o)癒されると言って頂けて嬉しいです(*´-`)まだまだ続く予定なのでよければお付き合いくださいねー★ (2021年8月31日 6時) (
レス) id: 84890a7b9a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - お話読んでて、二人の日常が可愛くて楽しそうでとても癒されます。 (2021年8月30日 23時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おにく
| 作成日時：2021年8月26日 19時
