火神君の双子の兄は凄腕副社長?! (ページ9)

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お兄ちゃんと男子バスケ部。1 ページ9

Aside

「A君は部活どうするの?」
『ああ…』

質問責めにあった後、隣の席の白井さんが部活のことについて聞いてきた。

「確かA君ってバスケ経験者だって言ってたよね。ならバスケ部に入ったら?」
『そうしたいのは山々なんだけど…(大我もいるし、邪魔したくない)』
「選手じゃなくてもいいじゃない。やってみたら?」

うーん…マネージャーか…
そう考えていると、教室の戸が思いきり開いた音がした。

「火神A君、いるかしら?」
「「相田先輩?!」」

うん?誰だろ…でも先輩みたいだし、ちゃんとしなきゃ。

『あ、俺ですけど…何か用でs』
「君ね。ちょっとついてきてくれるかしら」
『ぅえ?は、はい』

めっちゃ食いぎみだなぁ…というか「ついてきてくれる?」っていう割には手を掴まれてるし、強制じゃん!!
教室をするりと出て、早歩き気味に廊下を歩いていく。

『あの、ど、どこに向かっているんですか?』
「体育館よ。ごめんなさいね、少し急ぐわ」

渡り廊下を駆けて行く。これ怒られないかな…
そんなことを考えていたら体育館についてしまった。

「さ、中に入って」
『???』

言われるがまま入ると、中にはバスケ部の面々が立っていた。その人達の一人が大我で………What?

「私はバスケ部、カントクの相田リコ。突然で悪いけど、A君をバスケ部にスカウトしたいの」
『……スカウト?』
「えぇ。火神君から君の事を聞いたの。それで、私も調べて驚いたわ…

ｰｰ火神A、高校一年生。
アメリカからの転校生でいわゆる帰国子女。14才、15才の時にアメリカでバスケ国際大会にて二度優勝。天賦の跳躍力と速さ、試合を操る頭脳を持ち、的確な指示と圧倒的な強さと跳躍から「飛翔する軍神」と呼ばれていた。そして火神財閥の副社長をでもある。

ｰｰこんな人材、逃せるわけないじゃない♪」
「…ごめんな、俺が喋っちまったばっかりに…」

自分のせいだと気を落とす大我。……うーん、気にすることは無いけど。俺は大我の頭に手をぽんと置いた。

『気にすんな。…バスケは一度やめちまったけど、やっぱり、凄く楽しいのは俺も知ってる。……いいですよ。俺はバスケ部に入部します』
「それ本当?!よし、ならこの紙に名前を書いて。明日からA君には活躍して貰うわよ!!みんな、A君に自己紹介してくれる?」

もらった紙にさらさらと名前を書いて手渡す。まさか、バスケ部に入部するなんて。もう少し他の部活も見とけば良かったか?
そうこうしている間に自己紹介タイムが始まった。