火神君の双子の兄は凄腕副社長?! (ページ3)

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お兄ちゃん、日本に到着しました。ページ3

ｰｰとある空港にてｰｰ

『おー、ついたついた。いやー、やっぱ日本はいいよなぁ』

ぐいっと背伸びをして歩き出す。日本に来るのは小学生の頃以来だ。

「Aーー!!久しぶりーー!!」

いきなり前方から紅い髪が飛んできた。それを抱き止めてから、ゆっくりと落ち着かせる。

『うぉｯ!!?…た、大我!!迎えに来てくれたんだな。久しぶり』
「おう。Aを驚かせたくてさ、黙ってたんだ。ごめんな」
『…いや、嬉しいよ』
「へへｯ、そっか!!…よし、荷物持つからさ、早く俺ん家行こう」

ちなみに上の会話は全て英語の為、日本では少しイレギュラーなようだ。
それに加えて一卵性の双子。そんなのが抱き合っていたら目立ちすぎる。

『そうだな……久しぶりにバスケするか！』

そういうと先程より目を輝かせ、満面の笑顔で大きく頷いた。

「はぁ、はやくAに色んな事はなしてぇなぁ」
『!!(大我が天使だどうしよう親父)』

***

【火神宅】

『っと。荷物はこんなもんかな』
「合鍵渡しとくな」
『おー、ありがと』

合鍵を貰った後、どさりと最後の荷物が床に置かれた。黒いｷｬﾘｰﾊﾞｯｸのなかをAが漁っていると、キッチンの方からある疑問が聞こえた。

「Aってさ、学校どうすんの?」

前回話した通り、長～～～い休暇というのは3年間こちらにいるというもの。Aもまだ高校一年生。日本にきたからには、学業と文化というものを学ばねばならない。それが父親からの言葉だ。

『一応行くよ。誠凛に行くつもり』
「マジで?!やった!」
『でも明後日になるかな』
「そっか。うわー、明後日が待ちきれねぇ!!」

学校に関しては父親が既に手を回してある。入学手続きも完璧、制服ももちろん用意されていて、いつでも入学することができる。しかし長時間のフライトで疲れも出ており、休むことを優先した。

『明日からでも行きたいのは山々なんだけど…体がついていかねぇわ』
「…だろうな。A、しっかり休んどけよ?時差の事もあるし。夕飯できたぜ」
『ありがとう、大我。…お前、また料理の腕上がったろ』
「えー?そうか?でも………」

弟の作った食事を食べて、風呂に入って、お互いの話をしあって、寝て、今日は終わった。

次の日、思いがけない出会いがあることに気付かずに。