【三代目】その先も【男主】 (ページ11)

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今日はBADWOLFと一緒に撮影するPVに向けて衣装合わせをするって事でみんな集まってるんだけど、基本的にコンセプトは同じだと聞いていた。
ただ、彼等バンドメンバーは俺達パフォーマーとはまた少し違うところを見せる、彼等のコンセプトや世界観も織り交ぜたいとは聞いてたから、成る程ねって感じなんだけど。
普段からあの耳らしいけど、中には口輪付いてる奴も居てるし俺等には超新鮮なんだよね。
多少構われるのは目を瞑って欲しいよねー笑

シルバーと黒で衣装を合わせてる俺達と同じように、高嶋くんも黒の衣装に特殊メイクなのかな、本当に頭から生えてるように見える黒いフサフサの耳。敬浩くんに嫌って程構われて少しご立腹らしい男のその耳を少し撫でてみる

『…直人さん。怒りますよ』

「やだ怖い！てかもう怒ってんじゃん。そんな嫌がらないであげてよー、敬浩くんだって悪気があった訳じゃないんだよ？」

『それは…、分かってますけど…』

そう言って少しバツが悪そうに視線を逸らす彼の耳が垂れる訳はないんだけど垂れてるように錯覚する程しょぼくれていて、もう可愛いったら。
それに俺の言う事は多少なり聞き入れてくれるんだと思ったら敬浩くんには悪いけど少し優越感に浸ってみたりして、少し頭を撫でておいた。

「いいじゃん、似合ってるよ？その耳」

『まぁ…ありがとうございます。直人さんも…その髪型幼く見えて可愛いですね』

「はっはっはっ！…このクソガキ！！」

仕返しとばかりに俺の前髪をサラリと撫でて王子さながらの微笑みと共にしっかり馬鹿にして去っていった最年少を誰か捕まえてきなさい。今すぐだ。