勘違いもほどほどに-参-【鬼滅の刃】

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＿＿竈門炭治郎

＿＿竈門禰豆子


＿＿我妻善逸


＿＿＿栗花落A



聞き覚えのありすぎる名前に、私の視界は気持ち悪いくらいに揺れて、私の心もそれと同じかそれ以上に揺れた。

何でなんでなんで、思い出したんだ。
嫌なわけじゃないけど、思い出さなかったら、永遠に夢の中に入れたはずだよ。私は。


夢の中と言う、前世に留まれたはずだよ。




『……でも、行かなきゃ』


「え？」


『私の居る世界は、此処じゃない』




突然踵を返す私に、新刊を買うと言っていた親友はそれを戻して追いかけてくる。待ってよ、と声で止めようとしてくるが、私の足は止まらない。




「待って、ねぇA！どこ行くの！？ねぇ、ねえってば！」


『ごめん、私、この世界の人間じゃないんだ。』


「何言ってるの、訳わかんないよ。漫画の読みすぎ？私じゃないんだからやめて」


『本当だよ』




人気のない裏路地に入った辺りで、親友と距離を取りながら止まる。親友は息を整えながらもう一度、待って、と止めてきた。

「変だよ」と言う親友の声は苦しそうで、今までに見たことも無い表情をしている。
初めて見た親友の表情にさえ、私の心は動かなかった。




『……私の居たい世界は此処だけど、居るべき世界(・・・・・・)は此処じゃない。鬼を狩って人を守る。それが私の、栗花落Aのするべき事だから、』


「だから何？戻らなきゃって意味わかんないよ。Aが居たいならここに居て！なんで、行くの？なんで……置いていくの」

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