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その瞬間、煉獄さんが席から立ち上がった。
「車掌さん!危険だから下がってくれ!火急のこと故、帯刀は不問にしていただきたい!」
そう言って刀に手をかける煉獄さんの視界の先に居るのは、少し大型の鬼。グルル、と言っている様子を見ると、空腹のようだ。
「その巨躯を!!隠していたのは血鬼術か。気配も探りづらかった。しかし!罪亡き人に牙を剥こうものならば、この煉獄の赫き炎刀が、お前の骨まで焼き尽くす!!」
鬼はその言葉を待っていたかのように一つ方向を上げて、こちらに襲いかかろうとしてくる。が、煉獄さんの赫き刃は、鬼が一歩踏み出した距離で頸に届いた。
頸を斬られた鬼は、巨体を床に叩きつけるように崩れ落ちていく。
「……すげえや兄貴!!見事な剣術だぜ。おいらを弟子にしてくだせぇ!!」
「いいとも!!立派な剣士にしてやろう」
「おいらも!!」
「おいどんも!!」
「みんなまとめて面倒みてやる!!」
ワァワァと盛り上がっている男性諸君を見ながら、私はどこか違和感を覚えたが、煉獄さんのことを「兄貴ィ!」と慕う彼らの様子が面白くて、違和感なんぞ二の次だった。
「栗花落少女もどうだ!!」
『私は蜜璃さんが居るので遠慮しておきます』
「そうか!残念だ!!」
『……、思ってないですよね、それ』
柱にも関わらず、じーっと覇気のないであろう瞳で煉獄さんを見つめると、彼は大きな瞳で見つめ返してくる。
そして、はっ、としたかと思うと、直ぐに視線をそらした。どうかしましたか、と問うても彼はこちらを見ない。
「………よもやよもやだ!!」
『いや何がですか?』
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アリエ - 文才すぎますし、キュンキュンしました...煉獄さんとどうしてもくっついてほしい (2021年10月3日 13時) (レス) @page45 id: 8da3a93458 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ちょ、導が可愛すぎてツライです…!煉獄さんも可愛い…!もうもう大好きです!! (2020年1月4日 16時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
りくるーと - コナンとワートリの奴から来ました、本当にnaki様の書く文章が大好きです、これからも頑張って下さい (2019年12月4日 11時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - もう、好き。以外のなにものでもない。感動しました。応援しています。更新頑張ってください! (2019年11月28日 23時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた丸(プロフ) - コメ失礼します!導がいい人(カラス)すぎて感動しました!これからも頑張ってください! (2019年11月24日 15時) (レス) id: f57b9cbebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2019年10月9日 12時