勘違いもほどほどに-参-【鬼滅の刃】

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煉獄さんには申し訳ないが文は読めないな、と考えていた矢先、俯く自分の視界には白い紙に並べられた煉獄さんの字が入ってくる。




『っ、びっくりした』


「変ナ事ハ書イテナイカラ安心シロ」


『変な事って』


「誰モ、オ前ヲ責メテナイ」


『……、』




その言葉に、私は文を手に取った。
鴉の言葉に簡単に諭されてしまった人間とは、傍から見て情けないと思われるかもしれないが別にいい。

迷った時正しい道に導いてくれるようにと、付けた名前が導なんだから。




文の内容は、こうだった。


ーー

先の戦闘での傷は治ったか。
ちなみに俺は弟の千寿郎から心配されて、文が届く三日前ほどに自分で動けるようになったところだ。

腹部の怪我のこと、すまない。


君は強かった。
君と共に戦えてよかった。

鬼は倒せずして柱を辞めてしまうが後悔はない。君も後悔しないでくれ。


君は悪くない。
弱くなどない。
元ではあるが、柱の俺が言う事に間違いはない。


俺は前を往く君達を見守ろう。
だから君達は前だけを見て進んでくれ。
止まってもいいが、戻るな。

そこには君達が過去に残してきた後悔や怨念の塊しかない。





栗花落少女。



すまない。



やはりどうしても言わせてくれ。




俺は君に惹かれている。
一方的ではあるが愛という感情を抱いた。
初めて異性に恋をした。

強く、しなかやかな君が好きだ。
弱さに打ちひしがれる君が好きだ。
笑う君が好きだ。
泣く君は見たことがないが、きっと好きだ。

全て好いてしまった。


この気持ちを受け止めろ等言わない。
ただ一度でいい。
この文を今読んでいるなら、気が向いたたった一度で構わないから、顔を見せてくれないか。

君の無事な姿を確認したい。

無理せず、君の気持ちが落ち着いたらでいい。



勝手ですまない。
愛している。



煉獄杏寿郎

ーー

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