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技同士のぶつかり合いで地面がえぐれ、砂埃が舞おうとしている視界の隅に、猗窩座の腕が、見えた。


見えただけの、その一瞬。

猗窩座がどんな目的で腕を突き出したのか何てよく考えないで、ただ猗窩座の目の前に煉獄さんが居たことだけを思い出した私の体は、ほぼ無意識に前に出ていた。


驚いた猗窩座の顔。
私の腹を貫くは、刺青が入った腕。


肉を突き破る生々しい音が耳に届いた。




『っ、!!』


「女、死ぬぞ。死んでしまうぞ!鬼になれ!!鬼になると、言え!!」




うるさい、黙って。
こっちは痛いんだ。すごく。
めちゃくちゃ痛い。


形容しがたい、今までに感じたことの無い痛みに、私は顔を思い切りしかめる。

背後から息を飲むのが分かって、こんな事に意識を取られてる場合じゃないでしょ、と煉獄さんを見つめた。



__私の事なんざどうでもいいから、

___はやく、くびを。



煉獄さんがその思いを汲み取ってくれたのかは知らないが、彼は猗窩座の頸に刃を振るう。
私は腹に力を入れて、腕を離さなかった。




「かっ……!!」


「オオオオオオオ!!!」




ありったけの力で猗窩座の頸を切らんとする煉獄さんに、もう片方の腕が突っ込んで言ったが、それを両手で抑える。

猗窩座の不愉快そうな顔。ざまぁみろ。




『(放さない。逃がさない)』




この命がここで果てようが関係ない。
もし猗窩座の頸を飛ばせなくてもしょうがない。

だが、今は退いてはいけない。


もう少しで夜が明ける空気を感じて、このままでいれば猗窩座は陽の光によって体が消滅する。猗窩座自身もそれは避けたいはずだ。
腕を抜こうと必死になっている。

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アリエ - 文才すぎますし、キュンキュンしました...煉獄さんとどうしてもくっついてほしい (2021年10月3日 13時) (レス) @page45 id: 8da3a93458 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ちょ、導が可愛すぎてツライです…!煉獄さんも可愛い…!もうもう大好きです!! (2020年1月4日 16時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
りくるーと - コナンとワートリの奴から来ました、本当にnaki様の書く文章が大好きです、これからも頑張って下さい (2019年12月4日 11時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - もう、好き。以外のなにものでもない。感動しました。応援しています。更新頑張ってください! (2019年11月28日 23時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた丸(プロフ) - コメ失礼します!導がいい人(カラス)すぎて感動しました!これからも頑張ってください! (2019年11月24日 15時) (レス) id: f57b9cbebf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:-naki- | 作成日時:2019年10月9日 12時

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