勘違いもほどほどに-参-【鬼滅の刃】

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炎と水は絡まって、猗窩座の血鬼術とぶつかり合う。まるで、対立している私達のようだった。




「今まで殺してきた柱たちに炎は居なかったな。女も居なかった。そして俺の誘いに頷く者もいなかった！」




なぜだろうな？と空中を飛び上がりながら猗窩座が此方に聞いてくるが、そんなのわかるわけが無い。

鬼になろうなんて、思ったことも無い。




「素晴らしき才能を持つ者が、醜く衰えてゆく。俺はつらい、耐えられない。死んでくれお前たち。若く、強いまま」


“破壊殺・空式”




一瞬にも満たない、虚空を拳で打った攻撃は私たちまで届いたが、煉獄さんがそれよりも早く技を放って相殺させた。

なるほど。
猗窩座が使うものは、ある程度の距離を保ったまま攻撃ができる血鬼術か。

そうなるとこの距離感では私達が明らかに不利である。




なら、




『(＿＿刃の間合いに入れるまで)』




ぐっ、と足に力を込めて猗窩座の懐に潜り込む。




「この素晴らしい反応速度。女にしては勿体ない！」




それはどうも。


やっと刃の届く私の領域で刀を振るったが、猗窩座の技に阻まれて届くことは無い。
今日何度目かも分からない舌打ちをした私の背後から、飛び出るように煉獄さんが降りて来て、猗窩座との合間に入った。


熱く、赫い炎を纏った刃が、キラキラと輝いて私の目に映る。




「お前の素晴らしい剣技も、失われていくのだ杏寿郎。悲しくはないのか！！」


「誰もがそうだ、人間なら！！当然のことだ！」

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