勘違いもほどほどに-弐-【鬼滅の刃】

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家から出てきた人はその声が聞こえた直後、この世から息を引き取ってしまった。


きっと苦しかったんだろう。
こんなに傷を負って、痛かっただろう。
でももう大丈夫。
外の世界に貴方を傷付ける人は誰もいません。


戻ってきてくれてありがとう。おかえりなさい。そしてさようなら。ゆっくりお休み。



私はその人を地面に寝かせ、傍で手を合わせる。近くに来た竈門くんが、戻ってきたら埋葬しよう、と悲しげな声で言ってきたので私はそれに頷いた。

母親以来、初めて見る人の死。
呆気ないもので、とても儚い。

ああ、ああ、痛いな。胸が痛いよ。
痛いのに、どうしようか。
鬼への感情が憎悪にならない。


グッと拳を握りしめ、自分の胸をゴリラの様に一度叩き、深呼吸をして冷静になってから立ち上がる。

そして竈門さん達の方を見ると、中に行こうと誘う竈門さんに対して、首を全力で振る我妻さん。




「そうか。わかった」




竈門さんの言葉に喜怒哀楽の怒が多く含まれているのは、きっと気の所為ではない。

言葉と表情を向けられた我妻さんが「なんでそんな般若みたいな顔すんだよォーッ」と竈門さんに抱きついていた。




「無理強いするつもりはない」


「行くよォーッ！行くけど、Aちゃんも行こうよォー！俺を守ってー！！！」


『え、あ、はい。分かりました。私に出来ることならします』


「エッ好き。ありがとう、結婚して欲しいな！？！？」


『す、すみません、今はちょっと……』

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