検索窓
今日:5 hit、昨日:55 hit、合計:1,179,783 hit

4 ページ4

女の子の手を握って約束を交わす私たちに、炭治郎、Aちゃん、と家の方を見つめている我妻さんに呼ばれた。




「なぁこの音何なんだ、気持ち悪い音……ずっと聞こえる。鼓か?これ……」


「音?音なんて……」


『………!』




瞬間、何かが外に向かってくるのを感じ、私は其方へ走り出した。日は沈んでないので鬼の可能性は少ないが、もし、男の子達のお兄さんだとしたら。
二階からは少し高さがあるし、落ちてしまえば只では済まない。


ポン、と。
我妻さんの言っていた鼓の音が私の耳にも届き、空を見上げれば、人が放り出されたような体勢で空を待っていた。



その人と地面の間に手を入れてぶつからないように抱え込えこむ。着物や体を見て分かる、酷い出血だ。

……恐らく、この人はもう。




『……大丈夫ですか?』


「……出ら……せっ…かく……」


『ゆっくりでいいですよ』


「あ……あ……出られ…たの…に…。外に…出ら…れた…のに……」


『……はい、お帰りなさい』


「死…ぬ…のか……?俺……死ぬ…のか?」




声を出すのも辛いだろうに、彼は震えながら独白のように喋り続ける。
私はなるたけ優しい声音を心がけ、彼の最期が温かいものであるよう、羽織に血がつくのも構わず抱きしめた。


そして、その時、




「__グォォォォォッ!!」




鼓の音と共に響いてきた鬼の吼える声に、その場にいた全員が身を縮め込む。
声だけで威圧感があるなんて、どういう鬼だよ。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (647 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2530人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

そあ Free sky - 私は現実で愛されていないからですかね?愛されている夢主を見て泣いてしまいました。頑張ってください! (2019年10月6日 21時) (レス) id: 4b25111a5e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの刃 - 富岡…?恐らく冨岡では…?偉そうにすみません… (2019年10月3日 23時) (レス) id: 7c2b7aa7df (このIDを非表示/違反報告)
まっち - 続編おめでとうございます!本当に面白いと思いました。これからも頑張ってください!応援してます。 (2019年9月22日 22時) (レス) id: d74e1015ce (このIDを非表示/違反報告)
銀炉(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございます!7話がなくて話が抜けてますよ!更新楽しみに待ってます! (2019年9月22日 13時) (レス) id: c268784eb7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張ってください! (2019年9月21日 23時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:-naki- | 作成日時:2019年9月21日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。