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女の子の手を握って約束を交わす私たちに、炭治郎、Aちゃん、と家の方を見つめている我妻さんに呼ばれた。
「なぁこの音何なんだ、気持ち悪い音……ずっと聞こえる。鼓か?これ……」
「音?音なんて……」
『………!』
瞬間、何かが外に向かってくるのを感じ、私は其方へ走り出した。日は沈んでないので鬼の可能性は少ないが、もし、男の子達のお兄さんだとしたら。
二階からは少し高さがあるし、落ちてしまえば只では済まない。
ポン、と。
我妻さんの言っていた鼓の音が私の耳にも届き、空を見上げれば、人が放り出されたような体勢で空を待っていた。
その人と地面の間に手を入れてぶつからないように抱え込えこむ。着物や体を見て分かる、酷い出血だ。
……恐らく、この人はもう。
『……大丈夫ですか?』
「……出ら……せっ…かく……」
『ゆっくりでいいですよ』
「あ……あ……出られ…たの…に…。外に…出ら…れた…のに……」
『……はい、お帰りなさい』
「死…ぬ…のか……?俺……死ぬ…のか?」
声を出すのも辛いだろうに、彼は震えながら独白のように喋り続ける。
私はなるたけ優しい声音を心がけ、彼の最期が温かいものであるよう、羽織に血がつくのも構わず抱きしめた。
そして、その時、
「__グォォォォォッ!!」
鼓の音と共に響いてきた鬼の吼える声に、その場にいた全員が身を縮め込む。
声だけで威圧感があるなんて、どういう鬼だよ。
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そあ Free sky - 私は現実で愛されていないからですかね?愛されている夢主を見て泣いてしまいました。頑張ってください! (2019年10月6日 21時) (レス) id: 4b25111a5e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの刃 - 富岡…?恐らく冨岡では…?偉そうにすみません… (2019年10月3日 23時) (レス) id: 7c2b7aa7df (このIDを非表示/違反報告)
まっち - 続編おめでとうございます!本当に面白いと思いました。これからも頑張ってください!応援してます。 (2019年9月22日 22時) (レス) id: d74e1015ce (このIDを非表示/違反報告)
銀炉(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございます!7話がなくて話が抜けてますよ!更新楽しみに待ってます! (2019年9月22日 13時) (レス) id: c268784eb7 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張ってください! (2019年9月21日 23時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2019年9月21日 23時