勘違いもほどほどに-弐-【鬼滅の刃】

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「おいでこっぱち！！俺の名を教えてやる。嘴平伊之助だ。覚えておけ！！」


「どういう字を書くんだ！」


「字！？じっ……俺は読み書きができねぇんだよ。名前はふんどしに書いてあるけどな……」




嘴平伊之助と名乗った少年は不自然に言葉を止める。私達の所からでは彼の背中しか見えないので、どうなったのかよく分からない。

下手に動いて何かされるのも懲り懲りなのでそのまま待っていれば、嘴平さんは後ろに倒れた。




「うわっ倒れた！！死んだ？死んだ？」


「死んでない。多分脳震盪だ。俺が力一杯頭突きしたこか……」


『……竈門さんは痛みませんか？頭』


「俺は全然大丈夫だ。取り敢えず、伊之助が起きるまでは、亡くなった人を埋葬しよう」




竈門さんは言いながら自身の羽織を脱いで簡単に畳むと、意識を飛ばしている嘴平さんの頭に枕代わりとして入れ込む。
我妻さんも羽織を脱いで嘴平さんに掛けた。


私も二人の様に羽織を貸してやりたいところではあるが、この羽織には藤の花の毒が入っている試験管があるので、壊されたりしたら困る。

折角しのぶさんから頂いたのに。
壊して中身が漏れたりなんかしたら大変だよ。鬼狩りなのに鬼が逃げる。




「A、伊之助の様子を診てて貰ってもいいかな」


『えっ、いいですけど。……お手伝いとかは……？』


「大丈夫だよ。それにAだって怪我してるんだ。平気かもしれないけど、念の為安静にしておいた方がいいよ。な？」




…………天使なの？

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