勘違いもほどほどに-弐-【鬼滅の刃】

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全身訓練の結果は、私の勝利だった。


その場にあるありったけの息を吸い込むように全集中・常中を行って、足の筋肉全てに力を行き渡らせると、有り得ない程の速度で走れる。


だから私と同じ速度で逃げるカナヲちゃんの背中を捕まえられたのだ。そうでなければ、私が彼女に適うはずが無い。


カナヲちゃんは背中に私の手が触れた時、立ち止まって特に驚きもせずに私を振り返る。




「………凄いね」


『ぁ、ありがとう』




それだけ言って竈門さん達と反射訓練の2回目を実行する為に、机の方へ歩いて行ったカナヲちゃん。
たった一言の為に振り返ってくれるなんて優しい子……可愛いし……蝶屋敷すごい……。



離れていくカナヲちゃんの後ろ姿を何も考えずにぼおっと眺めていると、先程私の体ほぐしをしてくれたきよちゃんが歩み寄ってきた。

どうしたの、と彼女の身長に合わせてしゃがみ込む。




「恋柱様がお見えになってますよ！」


『蜜璃さん、が？』


「はい！Aさんの事を気にしてとても焦っている様子でしたので、とりあえず急がれた方がいいかと……」




蜜璃さん。
会いに来てくれたんだ。

まだ私が目が覚めてない時もそうだったけど、いくら師匠とは言え、少ない休みに態々此方に赴いてくれるなんて。


私はきよちゃんにお礼を言って、アオイちゃんに事情を話してから、カナヲちゃんと反射訓練を始めようとしていた嘴平さんに『頑張って、くだ、さい』と応援を残し、訓練場を後にした。

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