【蘭マサ♀】お似合いカップルに邪魔者が!? (ページ21)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:9,059 hit

19　真実　＊霧野目線＊ページ21

一通りのことを話終える｡
勿論､俺と天馬が知っている限りのことだけだが…

…そうだ｡

『刃物で切られた』と話した辺りのところで吉良さんと緑川さんの表情が強ばった｡

何か知っているのかもしれない…

霧野
「あの…マサキって､過去に何かあったんですか?」

緑川
「…うん､ここに来る前に色々とね…」

ヒロト
「…二人には話しておこうか｡だけど､これは誰にも教えてはいけないことだ…いいね?」

俺と天馬はそろって頷く｡

すると緑川さんが席をたって､部屋を出ていってしまった｡

何かを取りに行ったようだ｡

吉良さんが､紅茶を一口飲んでから話し始める｡

ヒロト
「マサキがこのお日様園に来たのは､小学五年生の冬…丁度この頃で､雪が降っていた日だったんだ」

じゃあ､三年前…?

ヒロト
「本人は心も体もボロボロで…薄着で泣きながらお日様園に一人で歩いてきたんだ」

天馬
「一人…だったんですか…?」

ヒロト
「ああ…マサキが言うには､家から逃がされたそうだ…マサキの母親によってね」

母親によって…

ヒロト
「マサキの父親がちょっとのことで暴力をふるうような人で､
マサキの母親はせめてマサキだけは逃がそうとあらかじめマサキの着替えや大事なものを鞄にいれておいていたみたいなんだ…
だけどね､マサキの父親が寝ているときにマサキを逃がそうとしたんだけど…運悪く､父親に見つかっちゃったんだ」

霧野
「見つかった…」

吉良さんはこくんと頷いて､視線を紅茶へ向けた｡

ヒロト
「その時に､マサキは刃物で傷つけられてしまったんだよ…
肩やお腹など､数ヵ所をね」

ハッとする｡

マサキは刃物で傷つけられることにのみ､気を失ってしまう｡

それは…まぁ､知っていた｡

ヒロト
「結局マサキの母親はマサキを逃がすので精一杯で他のことに気がまわらなかったらしくて…
マサキが言うには､マサキの目の前で母親は刺されて殺されてしまった…
幸い父親は追っては来なく､その後､警察に捕まったということらしいんだ」

天馬
「そんなことが…」

流石の天馬も驚いていた…

そりゃそうだよな…
俺だって、そんなまさか…マサキがそんな辛い思いしてるなんて思ってもいなかった…

驚くべに辛い真実を聞いた俺は､膝にのせていた手をぎゅっと握っていた｡