存在する意義 ページ33
『む、無惨、様・・・っ』
私は再び、無限城へ連れ戻された。
無惨様の怒りに満ちた瞳が、私をギロりと見つめてくる。
鬼「・・・A。私の命令を忘れたのか?」
『いえっ、そんなことは・・・っ、ぅが!」
無惨様の手が、私の首をギリギリと掴む。同時に血が滲んでくる。
鬼「A。お前の役割はなんだ?人間と仲良くすることか?」
『・・・う、ぐっ、がはっ・・・』
鬼「違う違う違う違う。お前は私のために存在する生物だ。柱全員を殺し、鬼殺隊を全滅させる。それがお前の役割だ」
無惨様はそう言って、私に大量の血を飲ませた。
『はっ、・・・ぐっ、がぁ、っ!』
突然流れ込んできた血によって、私の体は崩壊寸前。何とか耐えようとしているが、明日生きているかわからない。
柱全員を殺せ。
鬼殺隊を全滅させろ。
無惨様の声が私の頭、体、細胞のひとつひとつに響き渡る。
それと同時に、義勇さんや柱のみんなとの記憶が、思い出されては消されていく。
まるで、『私』の存在そのものを消していくかのように。
鬼「・・・ほう。生きてたのか」
もう、何日経ったかわからない。
私の体は、無惨様の血に順応した。そして、以前よりさらに強い力を手に入れた。
『無惨様のために、鬼殺隊を潰します』
Aの口から、スラスラと出てくる感情のない言葉。それに、鬼舞辻はゆっくりと頷く。
今度こそ誤るな、というように。
鬼「・・・行ってこい」
その声とともに、琵琶の音がした。
Aは、真っ暗な夜の街に来た。
『柱を、殺す・・・』
彼女の瞳は、鬼の始祖のように、赤く光っていた。
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桧 - マジで泣ける(´;ω;`)ウゥゥ (2021年8月7日 13時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
北極星 - ごめんなさい!2度目の感想です。私、義勇さん推しなので、もう、最後泣きました。ありがとうございます!これから続編をゆっくり読ませてもらいます! (2021年8月4日 15時) (レス) id: ce56cf178c (このIDを非表示/違反報告)
北極星 - 今まで読んだ小説の中で一番感動しました。 (2021年8月4日 15時) (レス) id: ce56cf178c (このIDを非表示/違反報告)
アルイ(プロフ) - 占ツクの小説で泣いた作品はこれが初めてです。このお話を書いてくれたことに心から感謝します(*T^T) (2020年11月1日 1時) (レス) id: 5747014bbe (このIDを非表示/違反報告)
きめつ大好き - ラスト泣きすぎて 目と鼻が真っ赤になりました 切ない、、来世も二人幸せになれますように。 (2020年10月10日 20時) (レス) id: c83c3938f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご | 作成日時:2020年2月13日 20時