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猪狩サイド
兄貴と大我様から、嶺亜様が塾長のお父さんの借金を全て返すために、
株式会社ローレライに行って、夏休みの間だけアルバイトしながら過ごすと聞いた。
だけど、借金の話は嘘である可能性があり、
嶺亜様が闇バイトに誘い込んで、犯罪の道に行かせようとしているという可能性も浮上し、
嶺亜様をローレライから脱出させる作戦に遂行する事にした。
猪狩「(小声で)裏口にも警備員がいるな…」
海人「(小声で)ガリさん、俺達に任せて」
七五三掛「(小声で)上手くやってよ?」
猪狩「(小声で)分かってるっすよ、龍也様」
ローレライのスタッフに変装した海人様と龍也様は頷き合うと、
裏口にいる警備員に話し掛けた。
海人「警備員さん、大変です!」
警備員「どうしました!?」
七五三掛「うちのスタッフが襲われているんです!助けてください!」
警備員「分かりました!案内してください!」
お二人が警備員を誘導していった事で裏口前に誰もいなくなったので、
俺はその間に、裏口に入って会社に潜入した。
猪狩「(嶺亜様はどこだ?)」
嶺亜様を探しながら、廊下を歩いていく。
すると、扉が開いてクロッシュ付きのお皿を乗せたワゴンと一緒に、
男性スタッフが出てきた。
いや、ホテルのルームサービスかよ…(ーー;)。
スタッフ「はぁ…11階までエレベーターで行くのはいいけど、腰が痛いよ…(ーー;)。この年になると、辛いな…」
60代ぐらいの初老に見えるからか、腰を押さえている。
とりあえず、助けてやるか。
猪狩「あの、どうしんたんすか?」
スタッフ「む…?お前さん、新人さんか?」
猪狩「そ、そうっすけど…」
スタッフ「なら、ちょうどいい。私の代わりに、この食事を11階まで運んでくれないか?」
猪狩「11階…」
スタッフ「うむ。私はこの通り、腰が痛くてな。先程までは、そんな事はなかったが急になってしまったんだ。どうか、頼む…」
猪狩「お安いご用っすよ!」
スタッフ「すまない。後で、お礼をする。11階には来客用の寝室が1つだけあるんだ。どうやら、夏休みの間だけアルバイトする高校生が使う事になったらしい」
猪狩「(嶺亜様に違いない!)了解っす!代わりに行くんで、貴方は座って休んで下さい!」
スタッフ「本当にすまないな。私は地下1階の休憩室で待っているから、終わったら来てほしい」
俺は頷くと、ワゴンを押してエレベーターに乗り、
11階に着くと、手紙をクロッシュの中に入れてから、
嶺亜様の部屋に入った。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時