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嶺亜サイド

『嶺亜へ その会社から逃げろ!お前を闇バイトに誘って、犯罪の道に引きずり込もうとしている!師匠のお父さんが借金を作った話は嘘で、俺達を引き裂こうとしたんだ!このままだと、会社に利用されるぞ!夜10時に社員やスタッフが全員いなくなって暗くなるから、その時間以降に脱出しろ!会社の地下2階に地下水道があって、街の川と繋がっているからそこから逃げるんだ! 大我 P.S 嶺亜、あの時はごめん』

兄さん…っていうか、闇バイトって何Σ( ゚Д゚)!?

塾長のお父さんが作った借金は俺達を離れ離れにさせる、嘘の話って事Σ( ゚Д゚)!?

俺は騙される形で、アルバイトしていたんだ…!

ど、どうしよう…いやいや、落ち着け!俺!

夜10時以降に脱出しろって書いてあるし、11階にもしもの時に非常階段があるって、

早見さんが言っていたし…。

ここは10時になるまで、大人しくするべきだ。

とりあえず、夕食を食べ終えて、

もう寝ると連絡してからお風呂に入り、

私服に着替えて、脱出の準備をする。

嶺亜「(えっと、必要な物だけ持っていこう。ボストンバッグは置いておいて。短剣と真珠貝のブローチは必須だし、財布とか。それと…あっ。あれは、音楽塾に置いてきちゃった…( ; ゚Д゚))」

あれ、というのは女王ファンテーヌから頂いた大切な物。

地下水道は暗いし、あれがあれば明るく照らすことができるのに…。

嶺亜「(しょうがないか(ーー;))」

そして、夜10時。大人しく待っていると…。

ピー…ガチャ(カードキーの音からの扉が開く音)。

嶺亜「…?」

開いた扉の方を見ると、警備員らしき服と帽子が置いてあった。

これで変装して脱出しろと?

会社内に警備員が見回りで、ウロウロしているからという事か…。

俺は私服から警備員の服に着替えて変装し、部屋をそっと出た。

すぐに非常階段を発見し、鍵も掛かっていないのでそこから入って、

階段を下りていき、地下水道に向かっていく。

非常階段は1階までなので、ここからは別の階段で地下水道に行く事に。

嶺亜「(っ!?警備員がこっちに来る!)」

階段に向かう途中で会社内を見回りしている警備員が、

懐中電灯を持って向かって来たので、近くの柱の影に隠れた。

息を殺して警備員が別のルートに行くのを見送り、

音をたてないように早歩きで、階段に向かう。

嶺亜「(ここだ…)」

ようやく、階段に辿り着き、地下水道に続く地下2階へと下りていく。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時

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