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嶺亜サイド

兄さんと泣いていたら、後ろから声がして振り返ると、

塾長がキョトンとした顔で見つめていた。

しかも、何で英語で聞いてきたんだろ?(・・?)

手越「2人とも、何で泣いているの( ; ゚Д゚)!?」

塾長が俺達の所に、心配そうに駆け寄った。

大我「あ、あの…相続権の話は…」

手越「あー、断ったよ」

嶺亜&大我「…断った?」

手越「うん」

嶺亜&大我「…良かったぁ〜〜〜(T▽T)!!!」←思わず抱き合う2人

塾長とまた一緒にいられる…!離ればなれにならない…!

嶺亜「でも、どうして…」

手越「俺だって、小太郎と同様に相続権を失った母さんの息子だよ。それに、知らない家の後継ぎよりも、音楽塾の塾長をやっていきたいし、大我と嶺亜とずっといたいもの(^-^)」

塾長…。


手越サイド

手越『俺の…答えは』

瑠知亜&璃蘭&勲『…』

手越『…継がない』

俺は3人の目を見て、はっきり言った。

勲『なっ!?何故だ!?もう、相続権を継げるのはお前しかいないのだぞ!?そんなの…』

手越『悪いけど、知らない家の後継ぎなんてしたくない。俺だって、相続権を失った母さんの息子なんだ。それに、俺も小太郎も普通の人間じゃないんだよ』

勲『どういう意味だ?』

手越『…俺は、愚かな人間なんだよ。だから、継ぐ資格なんてないよ』

勲『…』

瑠知亜『祐也…』

俺が相続権を継がない事を聞いてショックを受けたおじいちゃんに、俺は語ったんだ。

手越『ここ、音楽塾は俺にとって大切な家なんだ。親父は天涯孤独で、親がいなかった。当時、親父は初代の塾長と居候していて、音楽を極めながら仲良く暮らしていたんだ。初代の塾長は、実は超有名なピアニストだって、親父から聞いたことがあるの。名前は確か…奏太(かなた)さんだったかな』

勲『…!!』

手越『奏太さんが亡くなる前、親父に音楽塾の塾長を継いでほしいと言ったんだ。そして奏太さんが亡くなった後、親父は音楽塾の塾長になった。親父は奏太さんの意志を継いで、生徒達にボイトレやギターやピアノを教えて、音楽の楽しさや素晴らしさを伝えていった。俺は塾長になって、1年ぐらいになるけど、奏太さんや親父と同じく音楽の楽しさや素晴らしさを伝えていきたいんだ』

瑠知亜『祐也…』

璃蘭『祐也くん…』

手越『それに、俺には家族がいるんだ。血は繋がっていないけど、本当の家族だと思ってる。いや、本当の家族になったかな』

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時

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