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手越サイド

小太郎、アイツ…。

勲「双子の兄であるお前がいるとは知らなくて驚いたが。本当に顔は小太郎に、よく似ているな。それに、小太郎とは違って素質がありそうだ」

手越「それって、つまり…?」

勲「あぁ。城山家の相続権をもう一人の孫であるお前に譲ろうと思う。頼む、譲ってくれないか…?」

嶺亜「あの!塾長が城山家の相続権を継いだら、僕らや音楽塾はどうなるんですか!?」

手越「嶺亜!?」

話を聞いていた嶺亜が思わず立ち上がり、おじいちゃんに聞いた。

勲「申し訳ないが、それは分からん」

嶺亜「どーゆー意味ですか!?僕は反対ですっ!塾長が城山家を継ぐなんて、僕は許さないからっ…!」

大我「嶺亜!やめろ!答えるのは、師匠なんだ!お前が決める事じゃない!」

嶺亜「…っ」

俺が城山家の相続権を継ぐことに反対し、泣きそうになって訴える嶺亜。

そんな嶺亜を大我が止めて、叱ってくれた。

叱る時は叱る所は、さすが嶺亜のお兄ちゃんである。

大我「すみません。ちょっと、僕らは退出します。行くよ、嶺亜」

大我は「失礼しますm(_ _)m」と頭を下げて、嶺亜を連れて来客室を出た。

手越「…ごめんなさい、見苦しい所を見せてしまって(ーー;)」

勲「いや、気にしていない。祐也、改めて城山家の相続権を譲ってほしい」

瑠知亜「祐也…」

璃蘭「祐也くん…」

手越「俺の…答えは」


嶺亜サイド

大我「少しは頭、冷えた?」

嶺亜「…冷えたよ」

リビングで座っている兄さんに聞かれ、俺は素っ気なく返す。

塾長が城山家の相続権を手にしたら、また離ればなれになっちゃうじゃん。

だから、俺は反対した。

嶺亜「兄さんは、反対しないの!?今度こそ、塾長とお別れなんだよ!?それでも、いいのかよ!?」

大我「俺だって嫌だよ!だけど、こればかりは仕方ないんだ!どうするかは、師匠が決めるべきなんだ…」

兄さんは「ううっ…(T_T)」と、目からポロポロと涙が出てきて泣き出しそうになった。

嶺亜「兄さん…もらい泣きしそうだから、やめ…て…ううっ(T_T)」

どうやら、俺もいつの間にか涙が出てきたみたいで、泣きそうになっていく。

俺は兄さんの所に座ると、寄り添って泣き始めた。

嶺亜「じゅ、塾長…行っちゃ嫌…(T_T)」

大我「い、行かないで下さい…師匠ぉ〜…(T_T)」

手越「大我?嶺亜?Are You OK?(どうしたの?)」

嶺亜「塾長が…えっ!?」

大我「し、師匠!?」

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時

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