14-10 ページ40
手越サイド
小太郎、アイツ…。
勲「双子の兄であるお前がいるとは知らなくて驚いたが。本当に顔は小太郎に、よく似ているな。それに、小太郎とは違って素質がありそうだ」
手越「それって、つまり…?」
勲「あぁ。城山家の相続権をもう一人の孫であるお前に譲ろうと思う。頼む、譲ってくれないか…?」
嶺亜「あの!塾長が城山家の相続権を継いだら、僕らや音楽塾はどうなるんですか!?」
手越「嶺亜!?」
話を聞いていた嶺亜が思わず立ち上がり、おじいちゃんに聞いた。
勲「申し訳ないが、それは分からん」
嶺亜「どーゆー意味ですか!?僕は反対ですっ!塾長が城山家を継ぐなんて、僕は許さないからっ…!」
大我「嶺亜!やめろ!答えるのは、師匠なんだ!お前が決める事じゃない!」
嶺亜「…っ」
俺が城山家の相続権を継ぐことに反対し、泣きそうになって訴える嶺亜。
そんな嶺亜を大我が止めて、叱ってくれた。
叱る時は叱る所は、さすが嶺亜のお兄ちゃんである。
大我「すみません。ちょっと、僕らは退出します。行くよ、嶺亜」
大我は「失礼しますm(_ _)m」と頭を下げて、嶺亜を連れて来客室を出た。
手越「…ごめんなさい、見苦しい所を見せてしまって(ーー;)」
勲「いや、気にしていない。祐也、改めて城山家の相続権を譲ってほしい」
瑠知亜「祐也…」
璃蘭「祐也くん…」
手越「俺の…答えは」
嶺亜サイド
大我「少しは頭、冷えた?」
嶺亜「…冷えたよ」
リビングで座っている兄さんに聞かれ、俺は素っ気なく返す。
塾長が城山家の相続権を手にしたら、また離ればなれになっちゃうじゃん。
だから、俺は反対した。
嶺亜「兄さんは、反対しないの!?今度こそ、塾長とお別れなんだよ!?それでも、いいのかよ!?」
大我「俺だって嫌だよ!だけど、こればかりは仕方ないんだ!どうするかは、師匠が決めるべきなんだ…」
兄さんは「ううっ…(T_T)」と、目からポロポロと涙が出てきて泣き出しそうになった。
嶺亜「兄さん…もらい泣きしそうだから、やめ…て…ううっ(T_T)」
どうやら、俺もいつの間にか涙が出てきたみたいで、泣きそうになっていく。
俺は兄さんの所に座ると、寄り添って泣き始めた。
嶺亜「じゅ、塾長…行っちゃ嫌…(T_T)」
大我「い、行かないで下さい…師匠ぉ〜…(T_T)」
手越「大我?嶺亜?Are You OK?(どうしたの?)」
嶺亜「塾長が…えっ!?」
大我「し、師匠!?」
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時