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手越サイド
なのに、俺は親父を責めない。
何故なら、俺が子供だった頃に親父がよく読み聞かせしてくれた、人魚と人間の純愛物語。
親父は「人魚を見たことある」と話していて、よく人魚の話をしていて、
俺は1度でもいいから、人魚に会ってみたいと思った。
大我と嶺亜、そして親父が人魚だったなんて。
夢が叶った瞬間だった。そして、俺自身も人魚だという事を。
亜瑠都「僕はお前を守るために、人魚の血を封じた。その代わり、僕は寿命が縮まってしまった。人魚は、他の人魚の血を封じるのと引き換えに、寿命が短くなるんだ。お前の為ではあったけど、後悔はしていない…(´・Д・`)」
手越「親父、そんな顔しないでよ。俺、親父と過ごせて楽しかったよ。俺は親父がオンディーヌ一族の人魚である事、誇りに思うよ(^^)」
亜瑠都「祐也…」
手越「それに俺、全然寂しくない。俺には大切な家族がいる」
大我「そうです、師匠。貴方は1人じゃありません(^-^)」
手越「大我…」
嶺亜「僕達がついてますよ、塾長(^-^)」
手越「嶺亜…」
大我と嶺亜が俺に寄り添い、右手を大我、左手を嶺亜が優しく握ってくれた。
温かい…俺は、2人に出会えて良かった(^-^)。
手越「…親父!?」
親父の姿が徐々に消えていこうとする。
亜瑠都「どうやら、お別れのようだ…」
俺は「親父!」と、思わず抱きしめてしまった。
親父はそんな俺の背中をポンポンと叩く。
亜瑠都「祐也、生まれてきてくれてありがとう…愛してるよ。そして、小太郎を助けておくれ…」
手越「…うん。俺も愛してる」
親父はスッと離れると、大我と嶺亜の方に向いた。
亜瑠都「大我くん、嶺亜くん。祐也の事をよろしく頼むよ(^-^)」
嶺亜&大我「はい!」
亜瑠都「ありがとう。そして、瑠知亜の事も頼む。彼女に伝えてほしい。僕は今でも、君を愛し続けている…と」
手越「親父…!」
嶺亜&大我「亜瑠都さん…!」
親父は笑顔で見つめたまま、俺達の目の前で消えていった…。
嶺亜サイド
手越「大我、嶺亜…お願い。一緒に、小太郎を助けてほしい」
嶺亜「…」
大我「嶺亜?」
助けに来てくるまで、アイツに項を触られたりとキモかった。
俺はアイツが大嫌いで許せなかった。でも…。
嶺亜「塾長…行きましょう。大切な弟でしょう…?」
大我「俺も行きます」
手越「ありがとう、2人とも(^^)」
俺達は手を繋いで、プールの上へと泳いでいった…。
第13話『誕生、新たな人魚』 終わり
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時