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手越サイド
「…匠!」
「…長!」
微かに聞こえてくる、2人の声…。
大我と嶺亜か!?
大我『師匠!俺、師匠の事は歌と音楽の師匠だけでなく、兄貴のような存在だと思っているんです!それに俺、まだ師匠から教えてもらう事が沢山あるんです!だから、戻って来て下さい(>_<)!』
大我…。
嶺亜『塾長!僕は塾長の事が大好きですっ!塾長は僕と兄さんの家族だから…!ずっと、一緒にいたいんですっ…いなくなっちゃ嫌…(T_T)!』
嶺亜…。
手越「俺も…ずっと…一緒に…いたい…よっ…(T_T)」
俺は普段は泣かないのに、涙が出てくる…。
目から出てきた涙が頬をつたい、
ポチャン、と俺が着けている指輪に当たった。
すると…。
手越「えっ!?何々(;゚д゚)!?」
突然、左手の中指に着けている指輪が光り出す。
俺は思わず、左手を前に出すと、
光が俺を包みだした…。
嶺亜サイド
嶺亜「兄さん!俺達が着けている、指輪が…!」
大我「師匠に注いでいる…!」
亜瑠都「(その指輪は…!そうか…想いに応えた時、力を与えてくれる人魚の指輪…。彼ら(嶺亜と大我)の場合は、祐也を家族だと想う気持ちが…)」
俺達が着けている指輪の光と、
亜瑠都さんが塾長の背中に当てて出現した光よって、
塾長は光に包まれていった。
大我「あっ!師匠の姿が…!」
光に包まれてすぐ、塾長の両足はウルトラピンクの尾びれに、
服も消えて上裸に変わり、黒髪は太陽のように輝く金髪に変化した。
嶺亜「塾長…!」
手越「う…ん…。あっ…俺…」
目を覚ました塾長は自分の姿を見て、驚きを隠せずにいる。
手越「足が尾びれになっている…!?それに、髪の色が…!」
俺と兄さんは顔を見合わせ、驚いている塾長の背後に回った。
大我「嶺亜!師匠の背中に、オンディーヌ一族の刻印が…!」
確かに、翼の生えた人魚の刻印が刻まれている。
手越「あれ!?大我!嶺亜!2人も人魚だったの!?ちょちょちょ、どーゆー事Σ( ゚Д゚)!?夢じゃないよな!?」
大我「師匠、落ち着いて!話を整理しますと…」
俺と兄さんは、塾長に先程の事を説明した。
手越「…それじゃあ、俺の親父は人魚で、俺には人魚の血が濃く流れていた…という事…?」
俺達は頷いた。
亜瑠都「そういう事だよ、祐也」
手越「親父!」
亜瑠都さんが話し掛けると、塾長は振り返って驚いた。
手越「その姿、本当に親父なの?」
亜瑠都「あぁ…久しいな。そして、黙っていてすまなかった」
信じられなかった。今まで、知らなかった…。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時