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13-8 ページ29

手越サイド

「…匠!」

「…長!」

微かに聞こえてくる、2人の声…。

大我と嶺亜か!?

大我『師匠!俺、師匠の事は歌と音楽の師匠だけでなく、兄貴のような存在だと思っているんです!それに俺、まだ師匠から教えてもらう事が沢山あるんです!だから、戻って来て下さい(>_<)!』

大我…。

嶺亜『塾長!僕は塾長の事が大好きですっ!塾長は僕と兄さんの家族だから…!ずっと、一緒にいたいんですっ…いなくなっちゃ嫌…(T_T)!』

嶺亜…。

手越「俺も…ずっと…一緒に…いたい…よっ…(T_T)」

俺は普段は泣かないのに、涙が出てくる…。

目から出てきた涙が頬をつたい、

ポチャン、と俺が着けている指輪に当たった。

すると…。

手越「えっ!?何々(;゚д゚)!?」

突然、左手の中指に着けている指輪が光り出す。

俺は思わず、左手を前に出すと、

光が俺を包みだした…。



嶺亜サイド

嶺亜「兄さん!俺達が着けている、指輪が…!」

大我「師匠に注いでいる…!」

亜瑠都「(その指輪は…!そうか…想いに応えた時、力を与えてくれる人魚の指輪…。彼ら(嶺亜と大我)の場合は、祐也を家族だと想う気持ちが…)」

俺達が着けている指輪の光と、

亜瑠都さんが塾長の背中に当てて出現した光よって、

塾長は光に包まれていった。

大我「あっ!師匠の姿が…!」

光に包まれてすぐ、塾長の両足はウルトラピンクの尾びれに、

服も消えて上裸に変わり、黒髪は太陽のように輝く金髪に変化した。

嶺亜「塾長…!」

手越「う…ん…。あっ…俺…」

目を覚ました塾長は自分の姿を見て、驚きを隠せずにいる。

手越「足が尾びれになっている…!?それに、髪の色が…!」

俺と兄さんは顔を見合わせ、驚いている塾長の背後に回った。

大我「嶺亜!師匠の背中に、オンディーヌ一族の刻印が…!」

確かに、翼の生えた人魚の刻印が刻まれている。

手越「あれ!?大我!嶺亜!2人も人魚だったの!?ちょちょちょ、どーゆー事Σ( ゚Д゚)!?夢じゃないよな!?」

大我「師匠、落ち着いて!話を整理しますと…」

俺と兄さんは、塾長に先程の事を説明した。

手越「…それじゃあ、俺の親父は人魚で、俺には人魚の血が濃く流れていた…という事…?」

俺達は頷いた。

亜瑠都「そういう事だよ、祐也」

手越「親父!」

亜瑠都さんが話し掛けると、塾長は振り返って驚いた。

手越「その姿、本当に親父なの?」

亜瑠都「あぁ…久しいな。そして、黙っていてすまなかった」

信じられなかった。今まで、知らなかった…。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時

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